Ditto

ditto（ディットー）は、1990年代にアイオメガ社が開発・販売していたカートリッジ式のテープドライブです。主にコンピュータのデータバックアップ用途で利用されていました。

特徴

dittoの大きな特徴は、その接続方式と対応カートリッジの柔軟性にありました。コンピュータとの接続は、パラレルポート接続、または専用のインターナル接続（「ditto dash card」と呼ばれる拡張カードを使用し、ドライブ自体はフロッピードライブベイに内蔵する方式）のいずれかを選択できました。この多様な接続方式は、当時の様々なコンピュータ環境に対応することを可能にしていました。

また、dittoは複数の種類のカートリッジに対応していました。QIC、Travan、そしてアイオメガ社独自のカートリッジを使用することができましたが、対応するカートリッジの種類と容量はdittoの製品モデルによって異なっていたため、ユーザーは自身の環境や用途に合わせて最適なモデルを選択する必要がありました。

時代の変化と終焉

しかし、dittoが市場に登場した当時から、コンピュータのバックアップ技術は急速な進化を遂げていました。パラレルポート接続はUSBやFireWireといった高速インターフェースに取って代わられ、テープバックアップ方式はリムーバブルディスクやハードディスク型のバックアップ方式にその座を譲りつつありました。

dittoも、こうした技術革新の波には逆らえず、次第に時代遅れとなっていくことになります。より高速で使いやすいバックアップ技術の登場により、dittoの優位性は失われていきました。

1999年、アイオメガ社はテープドライブ部門をTecmar社に売却し、テープドライブ事業から撤退しました。この売却に伴い、dittoは製造を中止し、市場から姿を消すことになりました。

まとめ

dittoは、1990年代におけるバックアップ技術の一翼を担った製品でしたが、技術の進歩と市場の変化によってその役割を終えました。その柔軟な接続方式と多様なカートリッジ対応は、当時のユーザーにとっては利便性の高いものでしたが、技術革新の波には勝てず、歴史の中にその名を残すこととなりました。

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