Do 17 (航空機)

ドルニエ Do 17

ドルニエ Do 17は、ドイツのドルニエ社によって開発された双発爆撃機で、主に第二次世界大戦期間中に使用されました。この機体は当初、高速な郵便輸送機としての目的を持って設計されたものの、戦闘機との交戦にも適応するように改良されました。そのため、細長い胴体は「空飛ぶ鉛筆（Fliegender Bleistift）」という異名を持っています。

特徴

Do 17は、高速で敵の戦闘機を回避することを重視し、空力学に基づいた流線型のデザインが施されています。特にそのすっきりとした細身の胴体は、外観上の特異性を際立たせています。主翼は肩翼式で、円形のテーパー翼を備えており、尾翼は双尾翼の形状を採用していました。乗員は4名で、全員が機首のコクピットコンパートメントに配置されていました。

初期の実験機は直線の機首を持っていましたが、実戦型のE型からはガラスで覆われた半球状の機首に変更され、さらなる型式のS型やU型では機首がより大きく突き出す形状に進化しました。

低空性能は非常に優れており、耐久性もあったため多くの場面で重宝されましたが、疾走時の性能に関しては期待されたほどの速力を発揮することができませんでした。細い胴体構造は、それにより拡張性が限られるため、爆弾搭載量を増大することも、さらなる防御火力を追加することも難しかったのが実情でした。そのため、機体は何度も改良を重ねていかなければなりませんでした。

バトル・オブ・ブリテンの時期には、Do 17は旧式化していたため1940年に生産が停止され、その後は新しい機体であるDo 217に取って代わられました。にもかかわらず、残存していたDo 17の多くは東部戦線において夜間爆撃任務に従事し続け、ドイツが降伏するまで使用されました。戦後も一部の機体は他国に引き渡されて使われることがありました。

主な派生型

Do 17は多くの派生型を生み出しました。例えば、V型では商用として試作された高速郵便旅客機が存在しますが、正式には採用されず、軍用に改良されたものです。また、E型とF型はエンジンを変更し、E型は爆撃機に特化した形で500kgの爆弾を搭載可能でした。

K型はユーゴスラビア向けに開発され、特に直線型の機首が特徴的であり、ヒスパノ20mm機関砲を必要に応じて装備することができました。M型とP型もそれぞれ爆撃機と偵察型として生産されましたが、Z型への移行により生産は少なくなりました。

Z型は主力の型式として最終的な形をとり、Z-1型からZ-5型まで多様なバリエーションが展開されました。

現存する機体

Do 17は約2000機が製造されたものの、戦後の状況で多くは解体され、現在は現存する機体が少なくなっています。しかし、2008年にはドーバー海峡で墜落したものと思われる機体が発見され、2013年にはイギリス王立空軍博物館によって修復されました。今では、その唯一の機体が展示されています。

登場作品

Do 17は、ゲームやアニメにおいても登場しており、『War Thunder』や『艦隊これくしょん -艦これ-』などでその存在が知られています。また、漫画『空軍力の勝利』でも取り上げられ、その歴史的な背景に注目が集まっています。

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