E エディター

Eエディター：PC DOSを彩ったテキストエディター

Eエディターは、1993年6月にリリースされたPC DOS 6.1に初めて搭載されたテキストエディターです。その後、PC DOS 7やPC DOS 2000にも付属し、多くのユーザーに利用されました。IBMは、従来のDOS環境でテキストエディターの役割を担っていたQBasicの開発を終了したため、代替となるエディターが必要となりました。

そこで白羽の矢が立ったのが、OS/2の「システム・エディター」でした。1986年に開発されたこのエディターは、Eファミリーの中で最もシンプルな機能を持ち、その拡張版がPC DOS版のEエディターとして採用されました。実は、EエディターにはOS/2版も存在していたのです。

Eエディターの機能

PC DOS 7に付属したEエディターでは、以下のような機能がサポートされていました。

オンラインヘルプ：操作に迷った際も安心のヘルプ機能。
大きなテキストファイルの編集：長文のテキストファイルもストレスなく編集可能。
テキストを枠で囲む：テキストを見やすく整理するのに便利。
マウスとメニューのサポート：直感的な操作を実現するマウスとメニュー。
キーマクロの記録と再生：繰り返し行う操作を自動化し、効率的な作業をサポート。
マークした領域の文字を大文字または小文字に変更：テキストの編集を効率化。
複数ファイルの同時オープン：複数のファイルを同時に開き、効率的な作業が可能。
CおよびREXXの構文入力サポート：プログラミング作業にも対応。
選択テキストの移動、コピー、上書き、削除：柔軟なテキスト編集をサポート。
ファイルから別のファイルへのテキストのコピーおよび移動：ファイル間のテキスト移動が容易。

Eファミリーの歴史

PC DOS版Eエディターの歴史は、GML風言語を使用でき、キー設定をカスタマイズできるPersonal Editorから始まりました。Personal Editorは1982年に初登場し、その後IBM製品となりました。Personal Editorの制約がEエディター開発のきっかけとなり、長大なファイルのサポートやユーザーインターフェースの改善が行われ、1984年に新たなエディターがリリースされました。

1985年には、REXX風言語を採用し、カスタマイズ性を向上させたE2が登場。その後、E3、EOS2、EPMなど、さまざまな拡張を施したバージョンがリリースされました。OS/2開発チームの要求により、EプログラミングチームによってOS/2システム・エディターが開発されました。それは、必要最低限の機能と設定項目を持たない、高速で高機能なテキストエディターでした。EPMは後にOS/2拡張エディターとしてリリースされました。

さらに、E3の開発者によって、成果を共有できるSlickEditが開発されました。Eファミリーエディターの他のバージョンはIBMのプログラミング製品としてリリースされました。X2を含むこれらのEエディターファミリーのクローンは、E2やEエディターの後期バージョンでREXX風のEIプログラミング言語として使用されました。

関連情報

MS-DOS Editor

参考文献

PC DOS 2000 日本語版 ユーザーズ・ガイド. 日本IBM. (1998) Order number SB88-5602-01.

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