E-まちタウン

e-まちタウン株式会社の概要

e-まちタウン株式会社（英称: e-machitown Co., Ltd.）は、インターネットメディア広告を専門とする企業で、かつては株式会社クレイフィッシュという名前でした。この会社は1995年10月に松島庸氏を中心に設立され、当初は中小企業向けのホスティングサービス『Hitmail』を提供していました。これは、企業が自前のサーバーを持たずに電子メールを利用できるようにするもので、当時未開拓だった中小企業市場において先駆者的な存在でした。

2000年3月には、東京証券取引所のマザーズとNASDAQに同時上場を果たし、この業績は日本企業として初の快挙でした。ところが、その後のITバブル崩壊により、会社の株価は急落し、多くの問題が表面化しました。特に、経営陣の中で光通信との対立があり、代表取締役が個人の株式700株を担保として差し入れたものが行方不明になるなどの問題が発生し、2001年5月には社長が辞任する事態に至っています。

その後、2006年2月にe-まちタウン株式会社に商号を変更し、地域情報サイト「e-まちタウン」の立ち上げに注力しました。このサイトは、地域情報を提供するプラットフォームの役割を果たし、様々なインターネット関連商材の販売も行いました。

e-まちタウンの事業内容

e-まちタウン株式会社の主要事業の一つが、地域情報ポータルサイト『e-まちタウン』の運営です。このサイトは、日本各地の都道府県や市区町村に特化したタウンを構成しており、各タウンは別々のドメインを持っていました。2010年1月時点で315のタウンが存在し、豊島区、新宿区、大阪タウンなど、多くの地域が活発に利用されていました。利用者は、地域の企業や店舗の情報を簡単に検索、探し出すことができました。

しかし、ポータルサイトの特性から、検索エンジン最適化に関連した問題もあり、Googleから不正なリンクと見なされるケースがありました。これにより、サイト上の情報はクオリティが揺らぎ、特に運営会社が関与しないタウンでは、地域企業のPRが限られるという現象も見られました。2011年7月には、e-まちタウンのIDを利用して他のプラットフォームにアクセスする機能が提供され、各種スマートフォンアプリもリリースされ、会員数は数十万に達しました。

残念ながら、2015年8月には不正アクセスの影響でサービスが停止され、同年11月に『e-まちタウン』の全サービスが終了しました。

まちログ機能

e-まちタウンのユニークな機能には、『まちログ』がありました。これは、ユーザーが自由にブログを書いたり、タウン内の店舗や企業に口コミを投稿したりできる機能です。こうした口コミや交流の場は、掲示板やサークル活動を通じても活発に行われていました。中でも、ペットの譲渡目的で掲示板を利用する住民も多く、その地域に根ざしたコミュニティ作りに寄与しました。

沿革と関係会社

会社の沿革を見ると、設立からの歴史が垣間見えます。1995年に設立され、その後、2001年の社長辞任、2006年の商号変更を経て、さまざまな子会社を持つようになりました。例えば、モバイル広告代理店の『ファーストチャージ』や、宿泊予約サイトの『ベストリザーブ』など、各種関連会社を展開し、事業の幅を広げていきました。また、2015年には『e-まちタウン』の閉鎖を発表し、2021年には商号を『株式会社セレクトネットワーク』に改称しました。これらの変遷から、企業としての適応力と変化への取り組みを感じることができます。

マーケットのニーズや技術の進化に応じて様々な事業を展開してきたe-まちタウン株式会社ですが、その成長過程には多くの波乱もありました。

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