E-NEWS

E-NEWSは、株式会社電子新聞がフジテレビのアナログテレビ放送で展開したデータ多重放送サービスです。このサービスは、三菱電機が開発したMISTY方式を利用し、アナログテレビの垂直帰線区間における10番目から13番目（10H～13H）のラインを使用して情報を伝送しました。

日本の地上波テレビ向けデータ放送サービスとしては先駆けであり、1996年4月に試験サービスを開始、同年10月には商用サービスが本格的にスタートしました。提供されたコンテンツは、産経新聞の記事と情報誌「ぴあ」からの情報が中心でした。

E-NEWSの受信には専用の端末が必要であり、この端末も三菱電機によって製造されました。この端末は、受信部と携帯可能な表示部で構成されており、ユーザーは毎朝受信部に表示部を接続してデータを受信した後、表示部を取り外して携帯し、どこでも情報を閲覧することができました。この特徴により、場所を選ばずに情報を確認できる利便性がありました。

当初、サービスはフジテレビの放送エリアである関東地方の1都6県を対象としていましたが、受信端末セットが約4万円、購読料が3ヶ月前納で4050円という高価格設定が普及の妨げとなりました。その結果、サービスの利用者は伸び悩み、有料サービスは1997年3月31日に終了、その1年後にはサービス自体が完全に終了しました。フジテレビはその後、新たなデータ放送方式としてビットキャスト方式を採用し、新たなデータ放送サービスを展開しています。

E-NEWSは、その技術的な先進性にもかかわらず、コスト面での課題から短命に終わったデータ放送サービスでした。しかし、その試みは、後のデジタルデータ放送サービスへの道を開く上で重要な役割を果たしました。サービス終了後も、その技術とコンセプトは、データ放送の進化における重要な一里塚として記憶されています。

関連情報

データ放送
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ADAMS
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