EARTH×HEART LIVE

EARTH×HEART LIVE（アース・バイ・ハート・ライブ）

EARTH×HEART LIVEは、日本のラジオ局であるエフエム東京（TOKYO FM）と、全国FM放送協議会（JFN）が共同で企画・主催する音楽イベントです。毎年、地球環境について考える日である4月22日のアースデーに合わせて開催されており、音楽を通じて環境問題や社会問題への関心を高めることを目的としています。この項では、イベントの歴史的な経緯も含めて解説します。

沿革と名称の変遷

このイベントは1990年に第1回が開催されました。当初は『WE LOVE MUSIC, WE LOVE THE EARTH』という名称で知られ、1997年までこのタイトルで続けられました。1998年からは、特別協賛としてコスモ石油が参加し、『コスモ アースコンシャス アクト アースデー・コンサート』と改称。コスモ石油の協賛は2009年まで継続されました。2010年には『TOKYO FM＆JAPAN FM NETWORK Present アースデー・コンサート2010』、2011年には東日本大震災の発生を受けてコンセプトを一部見直し、『アース＆ヒューマンコンシャスライブ2011 supported by DUNLOP』として開催されました。そして、2012年からは現在の『EARTH×HEART LIVE』という名称が用いられています。

開催場所と形式

イベントは主に東京都内やその周辺の会場で開催されてきました。過去の主要な会場としては、日本武道館、国立代々木競技場第一体育館、東京国際フォーラムホールA、さいたまスーパーアリーナ、NHKホール、Zepp ダイバーシティ東京、TOKYO DOME CITY HALLなどがあります。特筆すべきは、2017年に奈良県の東大寺で開催されたことです。これは盧舎那仏像の開眼から1265年を慶讃するという特別な背景があり、初めて関西地方で行われた公演となりました。

放送

このコンサートの模様は、JFNに加盟する全国のFMラジオ局を通じてステレオで生中継されることが恒例となっています。さらに、日本国内にとどまらず、アジア各国のラジオ局や、パラオのエコパラダイスFMでも放送されており、国際的な環境啓発イベントとしての側面も持っています。

歴代の出演アーティスト

イベントの歴史を通じて、国内外の多様なジャンルのアーティストが出演してきました。初期には渡辺貞夫、坂本龍一、久保田利伸、サンタナ、アース・ウィンド・アンド・ファイアーなどが参加。タイトル変更後もDREAMS COME TRUE、松任谷由実、佐野元春、忌野清志郎、東京スカパラダイスオーケストラ、絢香など、日本のトップアーティストから海外の著名なアーティストまで、多くの顔ぶれが登場しています。

2020年以降の展開

2020年以降、EARTH×HEART LIVEはコンサート形式での開催が中断されています。これは主に新型コロナウイルスの感染拡大とその影響によるものです。コンサートの中止決定後、代替として特別番組が制作・放送されています。

2020年: 当初予定されていたコンサートは中止となりましたが、代わりに10代を主な対象とした特別番組『JFN EARTH DAY SPECIAL PROGRAM SCHOOL OF LOCK! presents STAY HOME ROCK FES.』が放送されました。
2021年: コンサートは再び中止。TOKYO FMの「Life Time Audio」というコンセプトに基づいた音楽番組『LIFE TIME AUDIO MY FIRST MUSIC 14歳のプレイリスト』が放送され、様々なアーティストの対談やメッセージが届けられました。
2022年: INIをパーソナリティに迎えた『TO THE FUTURE From INI』が放送され、ゲストとともに環境や社会問題について取り上げました。
2023年: 引き続きINIがパーソナリティを務める『TO THE FUTURE From INI～アナタと学ぶ 未来のカタチ～』が放送され、ゲストとの対談を通じて未来の社会について考えました。
* 2024年: 同様にINIがパーソナリティを務める『TO THE FUTURE From INI～アナタと叶える やさしい暮らし～』が放送され、暮らしと環境・社会のつながりをテーマにゲストと語り合いました。

このように、コンサート形式は中断しているものの、アースデーに際して環境や社会への意識を啓発するというイベントの根幹にある精神は、形を変えて引き継がれています。

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