EJビジネス・パートナーズ

株式会社EJビジネス・パートナーズ

株式会社EJビジネス・パートナーズ（イージェイビジネスパートナーズ）は、かつて東京都中野区に本社を置いて活動していた建設コンサルタント会社です。その前身は、1954年 7月13日に設立された日本技術開発株式会社（にほんぎじゅつかいはつ）でした。同社は設立から数年後の1959年には建設コンサルタント業務を開始し、以来、半世紀以上にわたり日本の社会基盤整備に貢献しました。

事業概要

総合建設コンサルタントとして、EJビジネス・パートナーズ（およびその前身である日本技術開発）は非常に広範な事業分野を手がけていました。特に、道路・トンネル・橋梁の設計といった道路交通部門で多くの実績を持ち、これが売上高の大きな部分を占めていました。しかし、近年は時代の要請に応える形で、廃棄物処理や地震防災といった分野にも積極的に取り組みを進めていました。その他にも、都市計画、地質調査、上水道・下水道・河川治水といった水関連の事業、環境アセスメント、さらには海外の政府開発援助（ODA）関連業務に至るまで、多岐にわたるプロジェクトに携わる、文字通り「総合」建設コンサルタントでした。

敵対的買収と経営統合の経緯

同社の歴史において、特に注目すべき出来事として、2005年に発生した敵対的買収未遂とその後の経営統合があります。

2005年、主に施工図面作成や施工管理業務を手がけていた夢真ホールディングス（当時：東京都文京区）は、日本技術開発に対し、経営統合を視野に入れた業務提携に関する協議を申し入れました。しかし、M&Aを通じて急速な経営規模拡大を目指す夢真の経営方針に、当時の日本技術開発経営陣は疑念を抱き、この提案を拒否します。

日本技術開発には特定の主要な大株主が存在しなかったため、経営陣は夢真による一方的な買収（敵対的買収）のリスクを強く認識しました。これに対抗するため、経営陣は買収防衛策の導入を決定し、特定の条件下での新株発行権や株式分割といった大規模買付への対抗措置を講じる方針を公表しました。これは、買収防衛策を導入した企業に対して行われるTOB事例としては、国内初のケースとなる可能性があり、大きな注目を集めました。

これに対し、夢真は同年7月11日、実際に日本技術開発の株式公開買付け（TOB）を開始し、買収を強行する姿勢を示しました。日本技術開発経営陣は、このTOBに対しても一貫して拒否する姿勢を崩しませんでした。

夢真のTOB期限が迫る8月8日、建設コンサルタント業界の同業他社であったエイトコンサルタント（当時：岡山市）が、日本技術開発にとっての「ホワイトナイト（友好的な買収者）」として名乗りを上げ、対抗する形で友好的な株式公開買付けを行うことを公表しました。

このエイトコンサルタントによる動きの結果、夢真が実施したTOBは、目標としていた株式取得数に遠く及ばず、事実上の失敗に終わりました。これにより、日本技術開発の独立性は一時的に保たれました。

エイトコンサルタントとの経営統合と事業再編

一連の敵対的買収騒動の後、日本技術開発はエイトコンサルタントとの経営統合へ向かうことになります。まず、2006年 7月11日にはエイトコンサルタントの子会社となりました。翌2007年 6月1日には、エイトコンサルタントと共同で持株会社「E・Jホールディングス株式会社」を設立し、正式に経営統合を果たしました。これにより、日本技術開発はE・Jホールディングスの完全子会社となりました。

経営統合後の2009年 6月1日、E・Jホールディングスグループ内で大規模な事業再編が実施されます。官公庁からの受注を中心とする公共事業部門は、エイトコンサルタント（この日を境に株式会社エイト日本技術開発と社名変更）へ移管・集約されました。一方、法人として存続した日本技術開発株式会社は、商号を株式会社EJビジネス・パートナーズに変更しました。

この社名変更と同時に、EJビジネス・パートナーズは事業内容を再定義しました。公共施設の設計、建設、維持管理などを民間資金や民間のノウハウを活用して行うPFI事業や、民間企業が所有・管理する社会資本関連施設の維持管理などを主な業務とする形へと事業の軸足を移しました。

解散

PFI事業などを中心に進めていた株式会社EJビジネス・パートナーズでしたが、グループ内の組織再編の一環として、2015年5月1日付で、同じE・Jホールディングス傘下の兄弟会社であった株式会社エイト日本技術開発に吸収合併されました。これにより、法人としての株式会社EJビジネス・パートナーズは解散し、その歴史に幕を閉じました。同社が手掛けてきた事業や培ってきた技術・ノウハウは、吸収合併先であるエイト日本技術開発に引き継がれています。

（注：本記事は、株式会社EJビジネス・パートナーズ（旧日本技術開発株式会社）の過去の情報を基に記述しています。現在、この法人は存在しません。）

もう一度検索