ELinks

ELinksは、UNIX系システムのコンソール環境で動作する、フリーでオープンソースのテキストベースウェブブラウザです。その起源は2001年に、ウェブブラウザ「Links」の実験的なフォークとして、ペーター・バウディスによって開発が開始されたことに遡ります。当初は「Experimental Links」を意味する「ELinks」という名称でしたが、後に「Enhanced Links」または「Extended Links」と解釈されるようになりました。

2004年9月1日、開発者バウディスは、プロジェクトのメンテナンスに十分な時間を割けないとして、保守作業をデンマークの開発者ジョナス・フォンセカに委ねました。バウディスは、リリース作業よりもプログラミングに専念したいという意向を示しました。

しかし、2017年3月17日、OpenBSDはセキュリティ上の問題と、開発チームの対応の遅さを理由に、OpenBSDのportsツリーからELinksを削除しました。この決定は、ELinksのセキュリティと開発体制に対する懸念を示唆するものでした。

その後、2017年11月17日には、ELinksから「felinks」というフォークプロジェクトが立ち上げられました。「felinks」は「forked ELinks」を意味し、ELinksの機能を引き継ぎつつ、独自の開発を進めています。（2021年12月24日時点での最新バージョンは0.15.0です。）

ELinksには以下のような特徴があります。

認証機能: HTTP認証とプロキシ認証をサポートし、セキュアな環境でのウェブブラウジングを可能にします。
Cookie: パーシステント（永続的）なHTTP Cookieをサポートし、ウェブサイトの設定を保存できます。
スクリプト: Perl、Ruby、Lua、GNU Guileといった多様なスクリプト言語をサポートし、機能を拡張できます。
タブ: テキストモードでのみですが、タブ機能に対応しており、複数のページを同時に開いて効率的に閲覧できます。
表示: HTMLテーブルやフレームの表示をサポートしており、構造化されたコンテンツも閲覧できます。
ダウンロード: キューを利用したバックグラウンドでのダウンロードに対応しており、ブラウジングを妨げずにファイルをダウンロードできます。
CSS: CSSを部分的にサポートしており、ウェブサイトのスタイルをある程度再現できます。
JavaScript: MozillaのSpiderMonkey JavaScriptエンジンを利用して、ECMAScript（JavaScript）を部分的にサポートしています。
テキストエディタ: 外部テキストエディタを連携させて、テキストボックスの内容を編集できます。
マウス: マウス操作（ホイールスクロールを含む）に対応しており、操作性が向上しています。
カラー表示: 文字のカラー表示に対応しており、視認性が向上しています。
対応プロトコル:
ローカルファイル
finger
http
https
ftp
fsp
smb
IPv4
IPv6
実験的サポート: Bit[[Torrent]]、gopher、nntpといったプロトコルも実験的にサポートしています。

ELinksは、テキストベースのブラウザでありながら、豊富な機能と拡張性を備えており、コンソール環境でのウェブブラウジングに高い利便性を提供します。

外部リンク

ELinks
Baudis, Petr (28 October 2001). "[ANNOUNCE] Experimental Links Tree". elinks (Mailing list)
Thomas Adam's ELinks page

関連項目

Links)
ウェブブラウザの一覧
Browsh
* ウェブブラウザの比較

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