EMD SD40-2形ディーゼル機関車

EMD SD40-2：信頼と経済性を両立したディーゼル機関車の傑作

EMD SD40-2は、ゼネラルモーターズ・エレクトロ・モーティブ・ディビジョン（GM-EMD）が1972年1月から1986年2月にかけて製造した、6動軸の電気式ディーゼル機関車です。先行機種であるSD40をベースに、Dash 2シリーズのコンセプトを導入。モジュール化された電子制御システムや、HT-C型台車の採用など、数々の改良が加えられています。

高い信頼性と経済性：時代のニーズに応えた設計

1970年代当時、アメリカではSD45やSD45-2といった3600[馬力]]級の高出力ディーゼル機関車が主流でした。しかし、これらの機関車は信頼性に課題を抱え、オイルショック後の経済状況を踏まえると、その高出力ゆえの燃費の悪さが問題視されるようになっていました。SD40-2は、こうした状況を背景に、高い信頼性と経済性を両立した機関車として開発されました。その結果、アメリカ合衆国とカナダを中心に広く採用され、輸出車両を含め約4000両もの生産数を記録しています。BNSF鉄道、[[ユニオン・パシフィック鉄道]、カナディアン・パシフィック鉄道(CP)などは特に多数のSD40-2を保有していました。

主要諸元と特徴

軸配置: C-C (6動軸)
出力: 3,000馬力 (2,240kW)
車体形状: フード・ユニット
台車: HT-C型台車 (一部車両はフレキシコイル台車)
特徴: モジュール化された電子制御システム、経済性と信頼性の高さ

多様なバリエーションと改造

SD40-2は、その高い汎用性から、様々な派生形式や改造車を生み出しました。

運転台のないBユニット: バーリントン・ノーザン鉄道やCP鉄道では、事故復旧や既存車両の改造によって、運転台のないBユニットが誕生しています。
輸出車両: イギリス国鉄の59形ディーゼル機関車は、車体デザインこそ異なりますが、主要機器類はSD40-2をベースに設計されています。
SD40T-2: 冷却システムを変更し、長大トンネルでの排熱吸入を防ぐ設計が施されたバリエーションです。サザン・パシフィック鉄道などが導入しました。
SD40-2W: カナダ仕様で、カナディアン・コンフォート・キャブを採用したモデルです。GMカナダのロンドン工場で製造されました。
BB40-2: ブラジルのFCA鉄道向けに、8動軸に改造されたモデルです。

SD40-2の車体構造

SD38-2、SD40-2、SD45-2は共通の台枠を使用しており、従来機種のSD38、SD39、SD40、SD45と比べ、約0.9m長く設計されています。上部構造は、同じく645E3型エンジンを搭載するSD38-2と共通です。フードは従来機種より長く、デッキ部分も広くなっています。また、冷却ファンは3個と、SD38-2より1個多いのが特徴です。

まとめ：ディーゼル機関車史に名を刻む名機

EMD SD40-2は、その優れた経済性と信頼性、そして高い汎用性から、長きに渡り北米の鉄道輸送を支えてきた名機と言えるでしょう。派生形式や改造車を含む数多くの車両が製造され、現在でも世界各地でその活躍を見ることができます。その技術は、後世のディーゼル機関車開発にも大きな影響を与え、ディーゼル機関車史に重要な足跡を残しました。

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