EMac

eMac(イーマック)について



eMacは、Appleがかつて販売していたディスプレイ一体型のデスクトップパソコンです。17インチのフラットCRTディスプレイを搭載し、PowerPC G4プロセッサを採用していました。教育市場向けに開発されましたが、後に一般市場にも投入され、低価格帯のモデルとして人気を博しました。

開発の背景



eMacの「e」は、教育を意味する「Education」の頭文字から取られています。当初は教育機関向けに開発・販売されていましたが、iMacが液晶ディスプレイとPowerPC G4を搭載した新型となり、価格帯が上昇したため、その穴埋めとして一般市場にも投入されました。これにより、より幅広い層がApple製品を手軽に利用できるようになりました。

歴史



2002年4月29日: 教育機関専用モデルとしてeMacが発表されました。
2002年6月8日: 一般向けにも販売が開始されました。
2003年5月6日: eMac (ATI Graphics)が発表されました。
2004年4月13日: eMac (USB 2.0)が発表されました。
2005年5月3日: eMac (2005)が発表されました。
2005年10月12日: iMac G5 (iSight)の発表とともに、eMacの販売が終了しました。

各モデルの仕様



eMac (初代) - 2002年4月29日発表


型番: M8577J/A
プロセッサ: 700 または 800 MHz PowerPC G4
システムバス: 100 MHz
メモリ: 128 または 256 MB PC100 SDRAM (最大1 GBまで拡張可能)
グラフィックス: NVIDIA GeForce2 MX 3D AGP 2X
ディスプレイ: 17インチフラットCRT
重量: 22.7 kg
スピーカー: 内蔵18Wステレオスピーカー
ドライブ: CD-ROMまたはComboドライブ(DVD読み込み、CD書き込み)、後にSuperDriveオプション
ハードディスク: 40 GB
その他: AirMac Ready、Mac OS X v10.1、Mac OS 9.2.2での起動可能

eMac (ATI Graphics) - 2003年5月6日発表


プロセッサ: 800 MHz または 1 GHz PowerPC G4
システムバス: 133 MHz
メモリ: 128 または 256 MB PC133 SDRAM (最大1 GBまで拡張可能)
グラフィックス: ATI Radeon 7500 AGP 4x
ディスプレイ: 17インチフラットCRT
スピーカー: 内蔵18Wステレオスピーカー
ドライブ: Comboドライブ(DVD読み込み、CD書き込み)またはSuperDrive(CD/DVD書き込み)
ハードディスク: 40、60、または 80 GB
その他: AirMac Extreme Ready、Mac OS X v10.2

eMac (USB 2.0) - 2004年4月13日発表


プロセッサ: 1.25 GHz PowerPC G4
システムバス: 167 MHz
メモリ: 256 MB PC2700 DDR SDRAM (最大1 GBまで拡張可能)
グラフィックス: ATI Radeon 9200
ディスプレイ: 17インチフラットCRT
スピーカー: 内蔵16Wステレオスピーカー
ドライブ: Comboドライブ(DVD読み込み、CD書き込み)またはSuperDrive(CD/DVD書き込み)
ハードディスク: 40 または 80 GB(Comboドライブモデルは80GBに、SuperDriveモデルは160GBにアップグレード可能)
その他: AirMac Extreme Ready、Mac OS X v10.3 Panther

eMac (2005) - 2005年5月3日発表


プロセッサ: 1.42 GHz PowerPC G4
システムバス: 167 MHz
メモリ: 256 MB または 512 MB PC2700 DDR SDRAM (最大2 GBまで拡張可能)
グラフィックス: ATI Radeon 9600(64 MB専用DDR SDRAM)、Core Image対応
ディスプレイ: 17インチフラットCRT
スピーカー: 内蔵18Wステレオスピーカー
ドライブ: Comboドライブ(DVD読み込み、CD書き込み)またはSuperDrive(CD/DVD書き込み、2層式DVD対応)
ハードディスク: 80 または 160 GB
その他: AirMac Extreme Ready、Mac OS X v10.4 Tiger

リペアエクステンションプログラム



2004年4月頃から2005年6月頃に販売された一部のeMacにおいて、画面の歪み、乱れ、表示不良、電源が入らないといった問題が発生しました。対象となるシリアル番号の範囲は以下の通りです。

G8412xxxxxx - G8520xxxxxx
YM412xxxxxx - YM520xxxxxx
VM414xxxxxx - VM518xxxxxx

これらの問題に対して、購入日から3年間を対象としたリペアエクステンションプログラムが提供されました。

関連情報



関連項目: iMac
* 外部リンク: Apple - サポート - eMac - ウェイバックマシン

eMacは、その手頃な価格と性能から、多くのユーザーに愛されたモデルでした。教育機関だけでなく、一般家庭でも幅広く利用され、Apple製品の普及に貢献しました。

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