ENEOS水島製油所

ENEOS水島製油所（エネオスみずしませいゆしょ）は、岡山県倉敷市に所在し、ENEOSの主要な製油所のひとつです。この製油所は、水島臨海工業地帯に位置し、三菱ケミカルの水島事業所や旭化成の水島製造所とともに、水島コンビナートを形作っています。西日本地区のエネルギー供給を担う拠点であり、様々な燃料油や石油化学製品を生産しています。

製油所の敷地は約331万1000平方メートルで、従業員数は942人（2015年3月31日現在）です。原油処理能力は、350,200バレル/日と国内最大級を誇り、主に西日本全域に製品を出荷しています。また、周辺の工場群にも供給されるため、地域経済にも重要な役割を果たしています。

ENEOS水島製油所は、かつてはジャパンエナジーと新日本[[石油]]精製の製油所が統合されて誕生しました。2010年には、JXホールディングスの傘下に入り、事業統合を経て「JX日鉱日石エネルギー水島製油所」として現在の形になりました。これは、油田や製油所が合併し、効率的なエネルギー供給を目指した結果の一つと言えます。

B工場とA工場の二つの工場から成り立っており、それぞれには多様な生産設備が揃っています。B工場には常圧蒸留装置、減圧蒸留装置、接触分解装置、アルキレーション装置などが設置されており、それぞれの日々の処理能力は205,200バレルと109,000バレルなど、高い数値を誇ります。一方、A工場でも250,000バレルを処理する装置が備えられ、石油製品の生産体制を支えています。

製油所の歴史は1960年7月から始まり、1961年6月23日に日本鉱業水島製油所として操業を開始しました。その後、数度の増強を経て、国内有数の製油所へと成長しました。特に1970年には原油処理能力を大幅に向上させ、当時の日本で第二位の規模を誇る製油所としての地位を確立しました。

しかし、この製油所の歴史は万全ではなく、1974年には重油流出事故が発生し、多くの漁業と環境に損害を与える事態となりました。この事故が転機となり、石油関連の災害防止に取り組む法整備が進むきっかけとなりました。さらに、2012年には海底トンネルの工事中に浸水事故が発生し、作業員が行方不明となるなど、様々な課題にも直面しています。

ENEOS水島製油所は現在、日本のエネルギー供給において重要な役割を果たしており、地域工業や経済にも寄与しています。今後も安全管理を徹底しつつ、持続可能なエネルギー生産を目指す動きが期待されます。

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