EPLP

コンピレーションアルバム『EPLP』

RCサクセションの初のベストアルバムである『EPLP』は、1981年6月1日に発売されました。本作は、キティ・レコードによってリリースされ、ファンからの強い支持を受けています。このアルバムは、エレキ化時代以降にリリースされたシングルの楽曲をまとめたもので、そしてカップリング曲も含まれており、RCサクセションの音楽の変遷を知る上で非常に重要な作品です。

収録曲は貴重な音源

本アルバムには、彼らのオリジナルアルバムからは独立したスタジオ収録バージョンが「トランジスタ・ラジオ」と「たとえばこんなラブソング」のみとなっているため、これらの曲の存在は特に貴重です。収録されている楽曲の順序は、前半にシングル曲が発売年順に、後半にはカップリング曲が同様に並んでいます。この構成により、聴く人はRCサクセションの音楽の歴史を感じながら楽しむことができます。

代表的な楽曲の詳細

ここで特筆すべきは、アルバムに収録されている代表的な楽曲です。まずは「わかってもらえるさ」。これは、RCサクセションのオリジナルメンバーである破廉ケンチがギターを弾けない状況にあった「暗黒期」にリリースされ、ライブのプロモーションも行われなかったため、幻の曲として知られています。

「ステップ!」は、5人編成となってからの初期のころの作品で、まだバンドの演奏力に疑念があったため、バックの演奏にはスタジオミュージシャンが起用されています。一方で「雨あがりの夜空に」は、RCサクセションだけでなく、忌野清志郎のソロでも多く演奏され、今や名曲として知られる存在です。

曲の背景とメッセージ

「ボスしけてるぜ」は、その歌詞が中小企業経営者に敬遠される内容で、銀座の有線放送では放送禁止となりました。また、「キモちE」では、忌野がヘロインに対するアンチテーゼを歌い上げており、薬物依存に対するメッセージ性の強い楽曲です。これらの曲が持つ社会的な意味合いは、その後のRCサクセションの音楽や忌野のスタンスを形成する要素となりました。

ライブパフォーマンスとしての役割

収録曲の中には、ライブでのパフォーマンスが恒例となる曲も多く、特に「上を向いて歩こう」は坂本九の名曲をロックにアレンジしたスタイルで演奏されていました。アルバムに込められた情熱が、ライブシーンでどのように表現されたかも、RCサクセションの魅力のひとつです。

『EPLP』は単なるベストアルバムではなく、RCサクセションの音楽の原点を知るための優れた資料であり、その聴きごたえは、バンドへの愛情を深めること間違いない役割を果たしています。ファンにとっては必聴のアイテムであり、音楽史における重要な一ページとなることでしょう。

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