EQT

EQT AB：北欧最大のプライベートエクイティファンド

EQT AB（旧EQT Partners）は、スウェーデンの首都ストックホルムに本社を置く、北欧最大のプライベートエクイティファンドです。世界15カ国以上にオフィスを構え、グローバルなネットワークを駆使して、欧米諸国やアジア太平洋地域を中心に、幅広い未公開株への投資を行っています。ナスダック・ストックホルムにも上場しており、その高い知名度と豊富な実績から、世界的な投資家の注目を集めています。

歴史と成長

EQT ABの起源は1994年にさかのぼります。スウェーデンの名家ヴァレンベリ家が関与する投資会社インベストール、スカンジナビスカ・エンスキルダ・バンケン、そしてアメリカのプライベートエクイティファンドAEA Investorsの出資によって設立されました。当初はスウェーデン国内での活動が中心でしたが、1998年にはコペンハーゲンに初の海外拠点を設立、その後、2005年には香港、2008年にはニューヨークに拠点を拡大し、グローバルなプレゼンスを確立しました。

2019年9月にはEQT ABとして株式公開を行い、さらなる成長への道を歩み始めました。近年では、大規模な買収劇にも注目が集まっています。2021年4月には、アメリカ・フィラデルフィアを拠点とする不動産企業Exeter Property Groupを買収し、子会社EQTエクセターを設立。さらに2022年3月には、アジアを代表するプライベートエクイティファンドであるベアリング・プライベート・エクイティ・アジアを買収し、BPEA EQT Asiaとして傘下に取り込みました。これらの買収は、EQT ABの事業領域と投資規模の拡大に大きく貢献しています。

EQT ABの投資先は、地理的に偏りがなく多岐に渡っています。投資ポートフォリオの約4割強がヨーロッパ、約4分の1が南北アメリカ、そして2割強がアジア太平洋地域に集中しています。このバランスのとれた投資戦略が、安定した収益基盤を築く上で重要な役割を果たしていると考えられます。

日本における活動

日本市場においても、EQT ABは積極的な展開を見せています。2021年1月に設立された日本法人、EQTパートナーズジャパン株式会社は、東京港区にオフィスを構え、日本企業への投資を推進しています。設立と同時に、日本の老舗プライベートエクイティファンドである日本産業パートナーズとの連携を発表しており、日本市場におけるネットワーク強化にも力を入れていることがわかります。

まとめ

EQT ABは、北欧を拠点としながらも、世界中に広がるネットワークと豊富な投資実績を誇る、世界を代表するプライベートエクイティファンドです。積極的な買収戦略とグローバルな視点、そして地域経済への貢献を重視する姿勢が、EQT ABの成功の鍵となっていると言えるでしょう。今後の動向にも、世界中の投資家の注目が集まることは間違いありません。

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