ESK (装甲車)

ESK ムンゴ（ESK Mungo）

ESKムンゴは、ドイツのクラウス＝マッファイとラインメタルが共同で開発した装甲多目的トラックです。ESKは「Einsatzfahrzeug Spezialisierte Kräfte」の略で、直訳すると「特殊部隊用車両」となります。ムンゴという名称は、ドイツ語でマングースを指し、広義にはこの動物全般を、狭義には特定のマングース種を意味します。

概要

このトラックは、ハコ社製のマルチカーシリーズの一部であり、M30/FUMO多目的小型トラックを基にしています。ESKムンゴの生産は2005年に開始され、ドイツ連邦軍は396両の発注を行い、さらに441両の追加発注を計画しています。特にこの車両は、特殊部隊や空挺部隊向けに設計されており、CH-53Gヘリコプターに搭載できるサイズに仕上げられています。

乗員室は、装甲板や防弾ガラスによりしっかりと防護されており、荷台部分も装甲が施されています。ただし、荷台の上部は開放型となっており、搭乗した兵員は外へ銃撃ができる構造です。装甲は小火器や手榴弾、対人地雷に耐えられる性能を持ち、四輪駆動システムにより悪路での運転が可能です。さらに、ランフラットタイヤが装着されているため、パンクしても時速25キロでの移動が可能となります。

この車両の定員は、運転手を含む2名の乗員と、後部荷台に8名の兵員を収容できる設計となっています。ESKムンゴは、ドイツ陸軍の航空機動作戦師団や特殊作戦師団（Division Spezielle Operationen）に配備され、特殊部隊KSKもこの部隊の傘下として活動しています。

2000年代初頭、ESKはISAFとしてアフガニスタンにも派遣されましたが、その厳しい地形状況に適応しきれず、整備面での問題が生じました。結果として、2008年には全てのESKがアフガニスタンから撤収させられ、その役割は他の車両に置き換えられることとなりました。

その後、2009年5月19日には、ESKムンゴの内部容積を倍増させたNBC偵察車両仕様が試作され、1台の試作車と25台の量産型が発注されました。これにより、ESKのさらなる発展が期待されます。

関連項目

• - 装甲車
• - 貨物自動車
• - ディンゴ/LAPV軽装甲車
• - フェネック偵察車
• - イーグル

ESKムンゴはその特異な設計を通じて、特殊部隊の運用を支える重要な装甲車両として、その役割を果たしています。

もう一度検索