ETRON

eTRON（イートロン）とは

eTRON（Entity and Economy TRON）は、貨幣、証書、証券、チケットなど、様々な価値情報をインターネットのようなオープンな通信基盤上で安全に流通させることを目的とした、広域分散システムアーキテクチャです。特定の暗号化技術、ハッシュ関数、認証方式などのアルゴリズムや特定のアプリケーションに依存せず、汎用的なフレームワークを提供します。

eTRONアーキテクチャ

eTRONアーキテクチャは、以下の要素で構成されます。

eTRONノード
eTRONアーキテクチャ内で一意な128ビットの識別子（eTRON ID）を持ち、価値情報の保持や操作を行います。
eTRONコンテンツホルダとeTRONサービスクライアントの2つのタイプがあり、両方の機能を併せ持つノードも存在します。
eTRONコンテンツホルダ
価値情報を安全に格納する役割を担います。
ICカード型のeTRONカード、携帯端末に組み込むeTRONチップ、据え置き型のeTRONボックスなど、様々な実装形態があります。
eTRONサービスクライアント
eTRONコンテンツホルダに格納された価値情報の発行、回収、変更、譲渡などの操作を行います。
エンティティ転送プロトコル (eTP)
Entity Transfer Protocolの略で、eTRONサービスクライアントがeTRONコンテンツホルダ内の価値情報を安全に操作するためのセッション層プロトコルです。
eTP基盤
eTRONコンテンツホルダとeTRONサービスクライアント間のeTP通信を可能にするメカニズムを提供します。
eTRON暗号認証基盤 (AEI)
eTRONアーキテクチャにおける認証や暗号処理に用いられるPKI（公開鍵基盤）です。
eTRON応用ネットワーク基盤 (ANI)
eTRONアーキテクチャを利用して、価値情報を扱うユーザーサービスを提供する、サービスに依存したネットワーク基盤システムです。
eTRONチップ
eTRONノードを構成する、価値情報を格納するためのセキュリティチップです。
耐タンパー性を持つハードウェアが想定されています。

eTRONの特徴

eTRONは、以下の特徴を備えています。

分散環境ノード
eTPをサポートし、ネットワーク上のサーバや他のeTRONカードと、eTP基盤のネットワークを通じてピアツーピア（P2P）通信を行います。
eTRON IDによる相互認証方式
eTRONチップは、一意なeTRON IDを持ちます。
通信セッションを確立する際に相互認証が行われ、互いのeTRON IDを認識します。
eTRON IDの正当性は、eTRONカードに与えられたAEIの認証局が発行した証明書とその署名を確認することで検証されます。
eTRON IDに基づくアクセス制御リストによる統合的な資源保護機構
eTRONチップには固有のeTRON IDが割り当てられ、相互認証により通信相手を識別できます。
eTRON IDに基づいたアクセス制御リストを提供し、チップ内のリソースへのアクセスを制限することで価値情報を保護します。
転々流通のためのチップ間通信
サーバを介さずに、eTRONノード間で価値情報を直接交換できます。
ロールバック可能なトランザクション機構
価値情報の作成や削除を安全に行うため、トランザクション機構を備えています。

関連事項

TRONプロジェクト

外部リンク

Ubiquitous ID Center
* T-Engineフォーラム

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