EVE new generation

EVE new generation：新たな世代の謎解きアドベンチャー

2006年8月31日、角川書店よりPlayStation 2用ソフトとして発売された『EVE new generation』は、人気シリーズ「EVE」の6作目となるマルチサイトアドベンチャーゲームです。シリーズおなじみの魅力的なキャラクターと、前作から数年後という新たな舞台設定で、プレイヤーを謎解きの世界へと誘います。

二つの視点、交錯する運命

主人公は私立探偵の天城小次郎と、内閣情報調査室の捜査官である法条まりなの二人。プレイヤーは、それぞれの視点から展開するストーリーを交互にプレイし、事件の全貌を解き明かしていきます。これは「EVE」シリーズの特徴であるマルチサイトシステムです。異なる視点から得られる情報が、事件の真相へと繋がっていく、巧妙なストーリー展開が魅力となっています。物語の進行上、一方の主人公のストーリーだけでは先に進めない「ザッピングポイント」が存在し、プレイヤーは状況に応じて視点の切り替えを余儀なくされます。このシステムが、物語への没入感を高め、プレイヤーをより深く謎へと引き込みます。

複雑な謎解きと革新的な操作性

本作では、会話の選択肢を選ぶ際、○ボタン、□ボタン、△ボタンなど、状況に応じて適切なボタン操作が求められます。単に選択肢を選ぶだけでなく、方向キーを用いて調べたい場所を選択するなど、直感的な操作性と奥深い謎解きの両立が図られています。

PC版『EVE 〜new generation X〜』では、操作性がさらに進化しました。「調べる」「話す」「その他」といったコマンドがパネル形式で表示され、マウス操作で直感的に選択できるようになっています。探索範囲は画面上で領域分割されており、カーソルを動かすことで調べられる場所が示されます。これは、ゲームの難易度を高めながらも、プレイヤーの快適性を向上させる工夫と言えるでしょう。

独立したストーリー、新たなキャラクターたち

『EVE new generation』は、過去作からの独立したストーリーとして展開されます。「エルディア」や「EVE」といった過去作で重要な要素は一切登場せず、過去作の事件についても軽く触れられる程度です。そのため、過去作をプレイしていなくても十分に楽しめるようになっています。

代わりに、本作では魅力的なオリジナルキャラクターたちが登場します。シリーズおなじみの桂木弥生、氷室恭子、甲野三郎といったキャラクターに加え、新たなキャラクターたちが複雑に絡み合うストーリーが展開されます。主人公である天城小次郎と法条まりなの二人を中心に、それぞれの視点から描かれる物語は、やがて一つの大きな事件へと繋がっていきます。

小次郎編：少女の記憶と謎のキーワード

小次郎は、ある夜、倉庫街で記憶喪失の少女「乃依」と出会います。彼女の記憶を探る依頼を受けた直後、乃依は謎の男に連れ去られてしまいます。その後、小次郎は桂木弥生の協力を得て乃依の身元を突き止めますが、同時に「蜂」「ブラー」「ラベイユ」といったキーワードが浮かび上がります。一見無関係に見えるこれらのキーワードは、やがて小次郎を事件の真相へと導いていくのです。

まりな編：自殺した青年と蜜蜂のタトゥー

一方、まりなはビルの屋上から飛び降りようとする青年を目撃します。説得を試みるも青年は自殺し、「計画は既に始まっている」という言葉を残します。彼の掌には蜜蜂のタトゥーが刻まれていました。この事件をきっかけに、まりなは陰謀に巻き込まれ、殺人犯として警察から追われる身となります。彼女は、ベレッタ1919を手に、真相解明へと突き進んでいきます。

多彩なキャラクターと豪華声優陣

本作には、個性豊かなキャラクターたちが登場します。それぞれのキャラクターには、魅力的な個性と背景が設定されており、プレイヤーは彼らの関係性や物語に深く引き込まれることでしょう。さらに、豪華声優陣による熱演も、キャラクターの魅力をさらに引き立てています。

メディアミックスの展開

『EVE new generation』は、ゲームソフトだけでなく、PC版、脱衣麻雀ゲーム『EVE雀』、そして漫画など、様々なメディアミックス展開が行われました。ゲーム本編とは異なるストーリーが展開される漫画版は、新たな魅力を提供しています。

結論

『EVE new generation』は、緻密なシナリオ、魅力的なキャラクター、革新的なゲームシステムが融合した、まさに傑作と言えるアドベンチャーゲームです。過去作からの独立したストーリーであるため、シリーズ未経験者でも楽しめる作品となっています。謎解きが好きな方、個性的なキャラクターが好きな方、そしてマルチサイトアドベンチャーゲームに挑戦してみたい方におすすめの一本です。

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