Electric Island, Acoustic Sea

Electric Island, Acoustic Sea

『Electric Island, Acoustic Sea』（エレクトリック・アイランド,アコースティック・シー）は、日本の音楽ユニットB'zのギタリストである松本孝弘と、ハワイ出身のギタリスト、ダニエル・ホーが「Tak Matsumoto & Daniel Ho」名義で2017年2月8日に発表したアルバムです。

概要

松本が他のミュージシャンとコラボレーションしてアルバムを出すのは、ラリー・カールトンとの共作『TAKE YOUR PICK』以来、7年ぶりとなります。本作は通常版CDとアナログレコードLP2枚組の2種類のパッケージでリリースされました。

また、購入者特典として、抽選で20名に『Tak Matsumoto & Daniel Ho Live! 2017 -Electric Island, Acoustic Sea-』のハワイ公演にライブ特派員として参加できるチャンスが与えられました。さらに、落選者の中から抽選で100名に直筆サイン色紙とギターピックセット、500名にオリジナルスリップマットが当たるセカンドチャンスも用意されました。

アルバムのタイトルはダニエルのアイデアによるもので、松本のメロディーを「Electric Island」（中心にある島）、ダニエルの多彩なサウンドを「Acoustic Sea」（それを取り囲む海）と表現しています。

制作

2015年、松本がロサンゼルスのキャピトル・レコードでアナログレコードのカッティング作業を見学した際、共通の知人を通じてダニエルと出会いました。その際、軽い気持ちで「いつか一緒にやりましょう」と話していましたが、その後、松本の前作『enigma』が完成した頃に、ダニエルから本作にも収録されている「Soaring on Dreams」のデモが送られてきました。

2016年1月、ダニエルのスタジオでギターを弾いた松本は、面白いものができると直感し、アルバム制作を提案しました。松本は「Soaring on Dreams」と、ダニエルが持ってきた3曲（「Infinite Escapade」「Magokoro (True Heart)」「Faithfully」）のデモを聴き、ダニエルの過去の作品とは違うものを目指したいと感じたそうです。

松本のギター録りは、『Tak Matsumoto Tour 2016 -The Voyage-』ツアー終了後の5月と6月、TAKUROのソロアルバム『Journey without a map』のプロデュース作業を挟み、7月に2回に分けて行われました。

収録曲

1. Soaring on Dreams
2. Fujiyama Highway
3. Magokoro (True Heart)
4. Infinite Escapade
5. Faithfully
6. Sunny Tuesday
7. Wander Blues
8. Adrenaline UP!
9. Omotesando
10. Island of peace
11. Rain
12. Lia

曲解説

Soaring on Dreams
ダニエルが松本とのコラボレーションのためにオーディションのつもりで作曲した曲です。ダニエルは、この曲を「お互いが持つ要素が刺激し合い、上昇していくイメージ」と語っています。デモ段階ではダニエルがギターを弾いていましたが、松本のエレキギターによる演奏を聴いた際、その音の違いに「Amazing！」と絶賛しました。

Fujiyama Highway
松本が三線の音から富士山をイメージし、タイトルを「Fujiyama Highway」か「Fujiyama Freeway」のどちらにするか悩んだというエピソードがあります。

Magokoro (True Heart)
ダニエルが孤独や寂しさといった感情を表現したかった曲です。後半からチェロが入ってくるのは、チェロとギターが語り合うことで、独りではないということを表現したかったと語っています。タイトルは、松本とダニエルを紹介した共通の知人のアイデアによるものです。

Infinite Escapade
ダニエルがピアノのトラックから制作を始め、それに合わせてベースを加え、その後、松本のギターを加えてイメージを膨らませて琴を加えたそうです。

Faithfully
ジャーニーのカバーで、ダニエルが10代の頃から好きなバンドの楽曲です。松本とダニエルの二人だけで演奏していますが、ダニエルは、アルバム全体でたくさんの楽器を使った楽曲が多いため、バランスを考えたと述べています。この楽曲のミュージックビデオ撮影時、ダニエルが「アコギを弾く松本とエレキを弾く自分を撮影したら面白い」と提案しましたが、松本は「『Faithfully』はシリアスな楽曲だから楽器交換はしない」とたしなめたというエピソードがあります。

Sunny Tuesday

Wander Blues
ハードなロックナンバーで、「Fujiyama Highway」と同様に終盤に制作された曲です。アコースティックギターのソロはダニエルが演奏していますが、松本のアイデアによるもので、デモは松本が演奏していました。

Adrenaline UP!
松本とダニエルの共作です。この曲をきっかけに、松本はよりロックな部分を出しても良いと確信し、「Fujiyama Highway」と「Wander Blues」を作曲しました。

Omotesando

Island of peace
松本のソロアルバム『New Horizon』からのセルフカバーです。元のトラックを基に制作したため、ギターの音は原曲のままです。元々ハワイをイメージして作った曲だったため、松本はダニエルの音が入ったことで「また新しい、タイトル通りの曲になった」と評価しています。

Rain
「Island of peace」と同様に『New Horizon』からのセルフカバーです。原曲からドラムの音を抜き、リズムはパーカッションのみ、ピアノもダニエルが演奏したものに変わっています。

Lia
ダニエルの代表曲のセルフカバーです。

参加ミュージシャン

松本孝弘：エレクトリックギター、作曲・編曲 (#2, 6-11)
ダニエル・ホー：12弦ギター (#1)、リズムエレクトリックギター (#1, 3)、アコースティックギター (#5-7, 9, 12)、ベース (#1, 4-6)、三線ウクレレ (#2)、ウクレレ (#2, 6)、テノール&ソプラノウクレレ (#10)、ピアノ (#1, 3, 4, 10, 11)、キーボード (#1, 3, 4)、エレクトリックピアノ (#9)、トライアングル (#4)、シンバル (#4)、ボーカル (#5)、ウドゥ (#6, 11)、ウリウリ (#6)、イプヘケ (#6, 10, 11)、シェイカー (#6, 11)、チャイニーズシンバル (#8)、カシシ (#10)、チャチャ (#10, 11)、トーキングドラム (#11)、ボンゴーレ (#11)、チンシンバル (#11)、ウッドラトル (#11)、作曲 (#1, 3, 4, 8, 12)、編曲 (#1, 3-6, 8, 10-12)
ジョナサン・ケイン&スティーヴ・ペリー：作詞、作曲 (#5)
寺地秀行：編曲 (#2, 7, 9)
ランディ・ダーク：ドラム (#1-4, 6-9)、太鼓 (#2, 7, 8, 11)、アゴゴベル (#2)、ギロ (#2)、タンバリン (#2)
スティーヴ・ビルマン：ベース (#2, 7-9)、フレットレスベース (#3)
ディビッド・エノス：ウッドベース (#10)
バリー・スパークス：ベース (#11)
ジュン・クラモト：琴 (#2, 4, 8, 11)
ダナ・シュエー：チェロ (#3, 8)
石川寛子 with Lime Ladies Orchestra：ストリングス (#10)

外部リンク

Tak Matsumoto & Daniel Ho Official YouTube Channel - YouTubeチャンネル

脚注

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