フレットレスベース

フレットレスベースとは

フレットレスベースは、その名の通り指板にフレットがないベースギターです。通常のアコースティックベースやエレクトリックベース（フレッテッドベース）とは異なり、指板上に金属のフレットが打ち込まれていません。それ以外はフレッテッドベースと構造上の大きな違いはなく、フレットの代わりに指板上に目印となるラインが書かれていることが多いです。ラインがないものは、チェロやコントラバスと見た目がほとんど変わりません。フレッテッドベースと同様に、エレクトリックタイプとアコースティックタイプ、多弦タイプなど様々なバリエーションが存在します。

サウンドの特徴

フレットがないことで、音を均質化するものがなく、指の左右の使い方で多様な音色を出すことができます。しかし、金属のフレットがないため、音のアタックが弱くなる傾向があります。ブリッジ寄りのピッキングで粒立ちを得られますが、低音は失われがちです。そのため、ロックではバラード以外ではあまり使用されない傾向にあります。

1970年代後半から広く使用されるようになり、ジャコ・パストリアスがフレットを抜いてエポキシ樹脂を詰めて改造したフェンダー社のジャズベースによって、その特徴的なサウンドが確立されました。フレットレスベースは、音程の変化をさせやすいため、ビブラート奏法、特にヴァイオリン属と同様のクラシカル・ビブラートが多用されます。また、フレットがないことを利用して、ハーモニクスを発生させた後にスライドさせるスライド・ハーモニクスも特有の奏法として知られています。

さらに、フレットが存在しないということは、平均律以外の音律（ピタゴラス音律や微分音など）も表現できるため、西洋音階を使用しない民族音楽的なジャンルでも使われることがあります。

機材について

フレットレスベースには、最初からフレットレスとして設計・開発されたものと、フレッテッドベースの指板を加工して改造したものがあります。改造する際には、サイドポジションの移動や塗りつぶしなどの処置が必要です。また、ジャコ・パストリアスのようなサウンドを得るためには、エポキシ樹脂のような指板塗装が必須となります。これは、指板に使用する木材の硬さではなく、塗料に含まれるガラス質が音色に影響するためです。つまり、フレットを抜いただけではフレットレスベースにはならず、フレッテッドベースとは異なる体系を持つ楽器として認識する必要があります。

主なフレットレスベーシスト

フレットレスベースをメイン、または多用する主なベーシストとして、以下のミュージシャンが挙げられます。

ジャコ・パストリアス
エバーハルト・ウェーバー
パーシー・ジョーンズ
ジェフ・バーリン
スティーブ・ベイリー
アルフォンソ・ジョンソン
ミック・カーン
レス・クレイプール
アラン・カーロン
リック・ダンコ
ピノ・パラディーノ
マーク・イーガン
マルコ・メンドーサ
トニー・フランクリン
スティング
ヨルン・パウル・テセリン
今沢カゲロウ
[沢田泰司](X JAPAN)
櫻井哲夫
永井敏己
二宮友和(eastern youth)
バカボン鈴木
水野正敏
諸田コウ
渡辺建
渡辺等
Poppin'Party'>[西本りみ]

関連事項

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