Emerald Rapids マイクロプロセッサ

Emerald Rapids（エメラルドラピッズ）は、インテルが開発したマイクロプロセッサであり、2023年12月14日に正式に発表されました。第5世代Intel Xeon Scalableプロセッサとして製品化され、データセンターや高性能サーバー向けに設計されています。

概要

Emerald Rapidsは、Intel 7（旧名称10nm Enhanced SuperFin）プロセスルールを採用しており、前世代のSapphire Rapidsをベースとした改良モデルです。2023年12月から市場に投入されています。Sapphire Rapidsと同様に、Emerald RapidsもPコア（Performance Core）のみで構成されています。同世代のクライアント向けプロセッサであるRaptor LakeがPコアとEコア（Efficient Core）のハイブリッドアーキテクチャを採用しているのに対し、サーバー向けのEmerald Rapidsは、高性能なPコアのみを使用することで、高い処理能力と安定性を実現しています。

特徴

Emerald Rapidsには、いくつかの重要な特徴があります。

Intel 7プロセス: このプロセス技術により、高いエネルギー効率とパフォーマンスの両立が図られています。
Raptor Coveマイクロアーキテクチャ: このアーキテクチャは、前世代から大幅な性能向上をもたらしています。これにより、より複雑な計算処理を効率的に実行することが可能になります。
L3キャッシュ増量: L3キャッシュの容量を増やすことで、頻繁にアクセスされるデータへの高速アクセスを実現し、全体的なパフォーマンスを向上させています。
3種類のパッケージ: Emerald Rapidsは、XCC（Extreme Core Count: 最大64コア）、MCC（Medium Core Count: 最大32コア）、EE LCC（Enhanced Efficiency Low Core Count: 最大20コア）の3種類のパッケージで提供されます。これにより、様々なワークロードや要件に対応できます。
XCCのダイ構成変更: XCCパッケージでは、従来の4ダイ構成から2ダイ構成に変更されました。これにより、メモリへのアクセス効率が大幅に改善され、システムの応答性が向上しています。
DDR5-5600対応: 最新のDDR5-5600メモリに対応しており、高速なデータ転送速度を実現しています。

製品一覧

現在、サーバー向けの製品として、以下のモデルが提供されています。

Emerald Rapids-SP: このモデルは、LGA4677ソケットに対応しており、高性能サーバーやデータセンターでの使用を想定しています。

関連情報

Emerald Rapidsは、以下の技術や製品と関連があります。

Sapphire Rapidsマイクロプロセッサ: Emerald Rapidsの前世代にあたるプロセッサで、アーキテクチャや技術基盤を共有しています。
* Granite Rapidsマイクロアーキテクチャ: Emerald Rapidsの後継となる次世代のマイクロアーキテクチャであり、更なる性能向上が期待されています。

Emerald Rapidsは、データセンターや高性能サーバーの分野において、重要な役割を担うプロセッサです。その高度な技術と性能は、現代の複雑な計算処理を効率的に実行し、ビジネスの成長を支える基盤となります。最新のテクノロジーと革新的な設計により、Emerald Rapidsは、サーバー市場において高い競争力を持つ製品として位置づけられています。

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