「en」は、主に欧文
組版で使用される長さの単位で、基準となる「em」の半分の幅(0.5em)を意味します。和文
組版においては、「二分(にぶ、にぶん)」または「半角(はんかく)」という概念に相当します。歴史的には、
大文字の「N」の
文字幅に由来するとされていますが、現代のフォントデザインでは必ずしも「N」の幅が0.5emであるとは限りません。
組版における利用
「en」は、特にページ数や範囲を示す際に使用されるダッシュ(二分ダーシ)としてよく用いられます。例えば、「10–20ページ」のように、開始ページと終了ページを繋ぐ際に、en幅のダッシュが使用されます。これにより、文章の見栄えが整い、可読性が向上します。
コンピュータにおける扱い
CSS(
Cascading Style Sheets)や
TeXなどの環境では、幅の単位として「em」は利用できますが、「en」を直接指定することはできません。
TeXでは、二分ダーシを「--」で表現します。また、二分アキ(en幅の空白)を挿入するためのコントロールシーケンスとして、「\enspace」(行分割されない)と「\enskip」(行分割される)が用意されています。
Unicodeにおける定義
Unicodeには、「en」に関連するいくつかの
文字が定義されています。
U+2000 EN QUAD(二分クワタ)
U+2002 EN SPACE(二分アキ)
U+2013 EN DASH(二分ダーシ)
ただし、「EN QUAD」はC/D正規化すると「EN SPACE」になるため、両者の具体的な違いについては明確な説明がありません。また、「EN QUAD」と「EN SPACE」は、どちらもKC/KD正規化によって通常の
[スペース]に変換されます。
参考文献
Donald E. Knuth (1986). The
TeXbook. Addison-Wesley.
関連項目
全角と半角
em (単位)