山下達郎 シングル「Endless Game」解説
1990年4月25日、山下達郎の20枚目の
シングル「Endless Game」がリリースされました。TBS系ドラマ『誘惑』の主題歌として書き下ろされたこの楽曲は、山下達郎の音楽性とドラマの世界観が見事に融合した作品として高い評価を得ています。
「Endless Game」:ドラマとの出会い
「Endless Game」は、原作のあるドラマ『誘惑』の主題歌制作という依頼から生まれました。山下達郎は、ドラマのイメージを大切にしながら作曲に取り組みました。その結果、彼自身も珍しいと語るマイナーコードのメロディーが誕生しました。しかし、このメロディーは通常の彼の歌唱スタイルとは相性が悪く、レコーディングでは苦労を強いられたそうです。楽曲全体としては、作家的な視点が色濃く反映された作品と言えるでしょう。
この楽曲は、アルバム『ARTISAN』をはじめ、『
TREASURES』、『
OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜』といったベストアルバムにも収録されており、現在でも多くのファンに愛され続けています。また、『RARITIES』初回盤付属のオリジナルカラオケ・スペシャルCDにもカラオケバージョンが収録されています。
カップリング曲として収録されているのは、「
THE THEME FROM BIG WAVE」のライブバージョンです。
サウンドトラック『BIG WAVE』に収録されたこの曲は、コンサートツアー“PERFORMANCE '84-'85”のライブ音源が使用されています。長らくアルバム未収録でしたが、後にアルバム『
Ray Of Hope』初回限定盤のボーナスCD『Joy 1.5』にリマスタリング音源で収録されました。
この曲は、山下達郎がパーソナリティを務めたNHK-FMの特別番組のために制作された楽曲「魔法を教えて」に、
アラン・オデイが英語詞をつけたものです。番組では、楽曲制作の過程がドキュメント形式で放送されました。
「Endless Game」以降、山下達郎の
シングルリリースはCDのみとなりました。これは音楽業界におけるフォーマットの変化を反映したものであり、日本の音楽シーンにおける大きな転換期を象徴する出来事と言えるでしょう。
まとめ
「Endless Game」は、ドラマとのコラボレーション、山下達郎自身の音楽性、そして時代の流れが複雑に絡み合った、非常に興味深い
シングルです。マイナーコードのメロディーやレコーディングエピソード、そしてカップリング曲の背景を知ることで、この楽曲への理解がより一層深まることでしょう。この
シングルは、山下達郎の音楽キャリアの中でも重要な位置を占める作品であり、彼の多様な才能を改めて感じさせる一枚となっています。
収録アルバム
Endless Game: 『ARTISAN』、『
TREASURES』、『
OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜』、『RARITIES』(カラオケバージョン)
THE THEME FROM BIG WAVE –Live Version–: 『
Ray Of Hope』(初回限定盤 Bonus CD『Joy 1.5』)
クレジット
Cover Art: JAMES RIZZI
その他情報
Warner Music Japan
山下達郎「Endles Game」– DISCOGRAPHY
山下達郎 OFFICIAL SITE
ENDLESS GAME [1990] – Discography SINGLE
TBSチャンネル
誘惑
山下達郎-Endless-Game -
Discogs (発売一覧)