Everybody goes -秩序のない現代にドロップキック-

Mr.Childrenの快進撃を象徴するシングル『everybody goes -秩序のない現代にドロップキック-』

1994年12月12日、日本の国民的バンドMr.Childrenは7枚目のシングル『everybody goes -秩序のない現代にドロップキック-』をリリースしました。前作『Tomorrow never knows』からわずか1ヶ月という短い間隔でのリリースは、彼らの勢いを如実に物語っています。アートディレクションは信藤三雄が担当しました。

驚異的なチャート成績と音楽史に残る一曲

このシングルは、4thシングル『CROSS ROAD』から続く4作連続ミリオンセラーという偉業を達成しました。初週は約37万枚という驚異的なセールスを記録し、最終的には124万枚を超える売上を記録しました。さらに、前作『Tomorrow never knows』が2週連続1位を獲得していたこともあり、本作のリリースによってMr.Childrenは3週連続でオリコンシングルチャート1位を独占するという快挙を成し遂げました。

社会への痛烈なメッセージとバンドの進化

『everybody goes -秩序のない現代にドロップキック-』は、アップテンポなロックナンバーです。小林武史と桜井和寿の「コンサートで盛り上がる新たな曲を」という構想から生まれたこの曲は、社会風刺的な歌詞が特徴です。桜井和寿は、小林よしのりの「ゴーマニズム宣言」に影響を受けたことを明かしています。

楽曲制作は、小林武史が提案したコード進行に、桜井和寿がギターリフとアドリブでメロディーを乗せていくという、彼らならではのダイナミックな方法で行われました。歌詞は『TOUR INNOCENT WORLD』中の移動中の車内などで書かれたと言われています。その過激な内容から、Mr.Childrenのシングルとしては珍しく、タイアップは一切ありませんでした。桜井和寿自身も「あの歌詞じゃ、タイアップは無理ですよね（笑）」と語っています。

当初は前作『Tomorrow never knows』のカップリング曲として候補に挙がっていましたが、出来が素晴らしかったため、急遽A面としてリリースされることになりました。作曲は、シングルA面曲としては珍しく、桜井和寿と小林武史の共作名義となっています。また、コーラスにはakko（MY LITTLE LOVER）が参加しています。間奏のギターソロは通常桜井和寿が担当しますが、ライブによっては田原健一が演奏することもあります。

ベストアルバム『Mr.Children 1992-1995』では副題の表記が「〜秩序のない現代にドロップキック〜」と変更されています。歌詞の中には当時のヒットチャートへの痛烈な風刺が含まれており、テレビ朝日系『ミュージックステーション』では、その部分がカットされて放送されました。

カップリング曲「クラスメイト」

カップリング曲には、4thアルバム『Atomic Heart』に収録されていた「クラスメイト」が収録されています。この曲は、アルバムからのシングルカットという形で、シングルの幅を広げる役割を果たしました。

ミュージックビデオとライブパフォーマンス

Mr.Childrenのシングルとしては異例ですが、この曲にはミュージックビデオが制作されていません。これは彼らのシングルA面曲では初めてのことで、楽曲の持つ力強さを、ライブパフォーマンスによって更に際立たせるという彼らの戦略を象徴していると言えるでしょう。しかし、ライブでは定番曲として演奏されており、その熱狂的なライブパフォーマンスは多くのファンを魅了し続けています。

多様なアルバムへの収録

『everybody goes -秩序のない現代にドロップキック-』は、『LAND IN ASIA』、『BOLERO』、『Mr.Children 1992-1995』、『Mr.Children 1992-2002 Thanksgiving 25』といった様々なアルバムに収録され、現在も聴き継がれる名曲として、彼らの音楽史に燦然と輝き続けています。 カップリング曲の「クラスメイト」は『Atomic Heart』にも収録されています。

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