Everyhome

シングル「everyhome」について

鬼束ちひろの12番目のシングル「everyhome」は、2007年5月30日に発売されました。この楽曲は鬼束自身が作詞・作曲を手掛け、小林武史が音楽プロデューサーとして参加しています。この作品は、彼女が実質的に活動を休止していた期間からの復帰作となっており、前作の「育つ雑草」から2年7ヶ月のブランクを経てのリリースとなりました。

作曲と制作の背景

鬼束は以前から小林武史の音楽スタイルに強い共感を抱いており、特に彼が携わるYEN TOWN BANDのサウンドに魅了されていました。2005年の夏に初めて小林と対面し、2006年春にはデモテープを手渡しました。その数日後にはスタジオでデモセッションを行い、「everyhome」が生み出されました。この過程で小林は彼女のアーティスト性を高く評価し、鬼束のサポートを決定しました。その当時、鬼束は楽曲のストックが少なかったため、制作に力を入れることにしました。

レコーディングは2007年2月から始まり、ライブイベント『AP BANG! 東京環境会議 vol.1』の直前まで続けられました。録音された楽曲は、鬼束のボーカルと小林のピアノ（「秘密」のみキーボード）が同時に収録され、作品の完成度を高めています。小林はアレンジャーとしてその役割に徹し、鬼束の持つ独自のアーティストとしての個性を重視しています。

このシングルにはオリジナル曲が3曲収められており、鬼束のシングル作品の中ではこの試みは初めてです。また、インストゥルメンタルを含まない点でも注目され、これは歌唱と鍵盤の同時収録が理由です。インストゥルメンタルが収録されないのは、「感染症/LITTLE BEAT RIFLE」以来のことで、本作以降のシングルには収録されません。

プロモーション活動

発売に先駆け、5月2日には音楽配信サービス『レコード会社直営♪サウンド』で「everyhome」と「MAGICAL WORLD」の着うたが先行配信されました。これは鬼束にとって初めての試みであり、同日から限定店舗でも先行試聴が開始されました。また、5月18日からはプロモーションビデオが放送され、久しぶりの映像作品の制作となりました。

各収録曲の詳細

• - everyhome (5:54)

- 作詞・作曲：鬼束ちひろ / 編曲：小林武史
- この楽曲は、ピアノのみのシンプルなバラードとして制作されました。イベント『AP BANG! 東京環境会議 vol.1』で初披露された際も、ピアノ一本でのパフォーマンスが印象的でした。楽曲は「風」がテーマであり、映画『フォレスト・ガンプ』を観た際にインスパイアを受けて作られました。作成には通常よりも時間がかかったと彼女は語っています。

• - MAGICAL WORLD (4:49)

- 作詞・作曲：鬼束ちひろ / 編曲：小林武史
- この曲も、ピアノとチェロを用いたバラードです。「小林武史のイメージを背景に曲を作った」とのことで、彼に対する思いが反映されています。

• - 秘密 (4:19)

- 作詞・作曲：鬼束ちひろ / 編曲：小林武史
- こちらはCDリリースまで未発表だった新曲で、ユニークなバンドサウンドが特徴です。

収録アルバム

「everyhome」の収録曲は後にいくつかのアルバムにも収録され、音楽の世界においてその存在を確立させています。また、この作品は鬼束ちひろの音楽キャリアにおいて重要な位置を占めていることは間違いありません。

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