YEN TOWN BAND

YEN TOWN BAND（イェン・タウン・バンド）

YEN TOWN BANDは、岩井俊二が監督した映画『スワロウテイル』（1996年公開）に登場する架空の無国籍バンドです。映画内での主人公グリコのボーカル役を演じるCHARAを中心に、プロデューサー兼キーボーディストの小林武史、ギタリストの名越由貴夫、作詞を担当する岩井俊二がオリジナルメンバーとして結成されました。彼らは劇中のストーリーに基づき、音楽面でも活動を広げました。

バンドの成り立ち

映画の制作過程で、岩井監督はただのサウンドトラックだけでなく、物語の中にこのバンドを組み込み、そのアルバムを一枚作ることを提案しました。小林は「架空のバンドだから、何をやっても自由だ」とこのアイデアに賛同し、大変なスケジュールの中でも挑戦する意欲を示しました。これによって、音楽制作が始まり、既存の枠にはまらない自由な表現を追求しました。

楽曲は小林がアイデアのヒントを岩井から受け取り、それに基づいて制作されました。その中でも特に有名なシングル「Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜」はオリコン・チャートで1位を獲得し、約85万枚の売り上げを記録した大ヒットとなりました。

活動の経歴

YEN TOWN BANDは1996年に初めてシングルをリリースし、同年の9月には映画で使用された楽曲全8曲を収めたサウンドトラック「MONTAGE」を発売しました。その後、2003年にSHIBUYA-AXで行われたライブイベントで7年ぶりにパフォーマンスを再開。2015年には新たに復活ライブを行い、本格的に音楽活動をスタートさせました。

2016年には、シングル「アイノネ」やオリジナルアルバム「diverse journey」をリリースし、新たな音楽作品を発表しました。「MONTAGE」から20年以上経ってからのオリジナルアルバムのリリースは、ファンにとって待望のものでした。

メンバー構成

YEN TOWN BANDのメンバーは、CHARA（ボーカル）、小林武史（キーボード、ギター）、名越由貴夫（ギター）、岩井俊二（作詞、コンセプト統括）により構成されています。また、ライブやレコーディングではサポートメンバーが参加し、音楽的な幅を広げています。

たとえば、2003年の活動時には清水ひろたか（ギター）、高桑圭（ベース）、白根賢一（ドラム）といったメンバーが加わりました。2015年以降は村田シゲ（ベース）、吉木諒祐（ドラム）、加藤哉子（コーラス）などがサポートメンバーとして参加し、音楽活動を支えています。

イベントやライブ

YEN TOWN BANDは年々ファンと直接触れ合うライブイベントの開催にも力を入れ、特に2017年の『Reborn-Art Festival 2017』や2021年の25周年記念ライブイベントは注目を集めました。これらのライブでは彼らの独自のスタイルと音楽を存分に楽しむことができ、観客との一体感を生み出しています。

今後の活動にも期待が高まるYEN TOWN BANDは、多彩な音楽性とシネマティックな世界観を融合させて、新しい音楽シーンを切り開いていくことでしょう。

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