Eye (SEKAI NO OWARIのアルバム)

SEKAI NO OWARIのオリジナルアルバム『Eye』

日本のロックバンドSEKAI NO OWARIが2019年2月27日にリリースした『Eye』（アイ）は、彼らのメジャー3枚目であり通算4枚目のオリジナルアルバムです。この作品は前作『Tree』から約4年1ヶ月の間隔を経て発表され、同日に発売された『Lip』と共に、彼らの音楽に新たな章を刻むものとなりました。

アルバム制作に関して、ギタリストのNakajinは「結局、時間がかかってしまった」と振り返ります。彼は、以前End of the World名義でのアルバム『Chameleon』の制作に取り組んでいたため、SEKAI NO OWARIの新しいアルバムについては後回しにしてしまったとのことです。一方、ボーカルのFukaseは、「この4年間でたくさんのことを考えてきた」と述べ、これらの思いや感情を音楽で表現するには2つのアルバムが必要だと感じていたと語りました。そして、タイトルに込められた意味には、「目」と「口」という異なる視点が存在することが表れています。このように彼らは『Eye』と『Lip』をコンセプトに、互いに表裏一体としたアルバムを作り上げました。

このアルバムは、音楽スタイルが前作と異なり、より直接的なメッセージを届けることに注力した楽曲が多く収録されています。前作では、楽器以外の音を多用してファンタジーな世界観を表現していましたが、『Eye』では、時代を超えて愛される王道的な楽器だけを使用することにこだわりました。Fukaseのボーカルスタイルも変化し、以前の少年を想起させるアプローチから、大人らしさを意識した表現に移行しました。

『Eye』は初回限定盤と通常盤の2形態で発売され、特典として限定盤には野外ツアー『SEKAI NO OWARI 野外ツアー2018「INSOMNIA TRAIN」』からの山梨公演の模様を収めたDVDがついていますが、いくつかの曲とMCはカットされています。また、オリコンアルバムウィークリーチャートでは、『Lip』が1位を獲得し、本作が2位にランクインするという快挙を成し遂げました。

収録曲

『Eye』に収録された曲には、多様なスタイルが見受けられます。例えば、オープニングトラックの「LOVE SONG」は、Fukaseが「子どもたちに対して対等な目線で歌おうと思った」と語る曲に仕上がっています。名曲「Blue Flower」は、バッハの音楽がサンプリングされています。また、「ANTI-HERO」はメジャー8thシングルの表題曲で、弦楽器などの生音を交えたアプローチが印象的です。さらに、「夜桜」や「Monsoon Night」といった曲も特徴的で、アルバム全体を貫くストーリー性を持っています。

参加ミュージシャン

SEKAI NO OWARIのメンバーに加え、多数のミュージシャンがコラボレーションしています。例えば、Fukaseは全トラックでボーカルを担当し、Nakajinがプログラミングやアコースティックギターを担当するなど、バンドの多様な音楽性が映し出されています。さらに、外部の音楽プロデューサーや演奏家も加わり、アルバムに豊かな音色をもたらしています。

このように、SEKAI NO OWARIの『Eye』は、彼らの音楽の進化を感じさせる作品であり、リスナーに深いメッセージを届けるアルバムとして記憶に残ることでしょう。音楽だけでなく歌詞やアートワーク、全体のコンセプトが一体となったこのアルバムは、彼らの音楽世界をさらに広げる重要な一歩となりました。

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