F-05C

docomo STYLE series F-05C：洗練されたデザインと多彩な機能を両立したスマートフォン

2011年2月にNTTドコモから発売された富士通製のFOMA端末「docomo STYLE series F-05C」は、同時期に発表されたF-04Cと兄弟機種にあたります。F-04Cが若年層女性をターゲットにしたカラフルなデザインであるのに対し、F-05Cは落ち着いた色合いで、年齢や性別を問わず利用できる汎用性の高さが特徴です。

スライド式ボディと快適な操作性

F-05Cは、スタイリッシュなスライド式ボディを採用しています。液晶画面は感圧式のタッチパネルとなっており、付属のタッチペンを使って写真に絵やスタンプなどを加えることができます。

特筆すべきは、三菱電機製の携帯電話で採用されていた「スピードセレクター」（クルクルキー）です。この回転式のキーによって、メニューやアドレス帳、メールなどをスムーズかつ高速にスクロールできます。さらに、クルクルキー周囲のLEDは3色の組み合わせで様々な色に光り、視覚的な楽しさも提供します。決定キーはF-04Cのジュエルカットとは異なり、シンプルなドーム型となっています。

テンキー周辺のバックライトも本体の開閉やボタン操作に合わせて7色に変化し、ユーザーの好みに合わせたカスタマイズが可能です。

高性能カメラと充実の撮影機能

510万画素CMOSイメージセンサーを搭載したアウトカメラは、オートフォーカス、ISO12800相当の高感度撮影、サーチミーフォーカス、スマイルシャッター、自動シーン認識など、多彩な機能を備えています。手ブレ補正機能や被写体追尾機能も搭載され、ぶれを抑えた鮮明な写真撮影が可能です。

インカメラも130万画素と、当時としては高性能で、自撮りを重視した設計となっています。「小顔モード」や「美肌モード」などの機能に加え、撮影した写真にタッチペンでデコレーションする機能も備えており、150種類のスタンプがプリインストールされています。

価格を抑えた戦略と充実のセキュリティ

F-04Cとは異なり、GPS、GSM、防水機能は省かれていますが、価格を抑えることでより幅広いユーザーへの訴求を目指しました。また、2000種類のデコレーション絵文字をプリインストールしているなど、ユーザーフレンドリーな設計となっています。

F-04Cに搭載されていたスライド上部の「プリティミラー」はF-05Cには搭載されていません。その分、富士通が強みとする高セキュリティ機能が強化されています。

具体的には、「プライバシーモード」により、指定した相手からのメールや通話履歴を、自分だけがアクセスできる隠しフォルダに自動的に保存する機能や、microSDカードへのパスワードロック機能が搭載され、データの秘匿性を高めています。

その他の機能とプリインストールアプリ

「スーパーはっきりボイス3」によるノイズキャンセリング機能や、歩数計と健康管理アプリとの連携機能も搭載されています。

プリインストールアプリも充実しており、「Myきせかえクリエイター」、「モバイルGoogleマップ」、「DCMXクレジットアプリ」、「i Bodymo」など、多様なニーズに対応したアプリが用意されています。その他、ゲームアプリや辞書アプリなども含まれています。

まとめ

「docomo STYLE series F-05C」は、洗練されたデザインと充実した機能を両立させたバランスの良いスマートフォンでした。クルクルキーによる快適な操作性、高性能カメラ、そして堅牢なセキュリティ機能は、多くのユーザーを魅了したと言えるでしょう。当時としては、標準的なスペックながら、実用性の高いモデルとして高い評価を得ていました。

もう一度検索