F-09A

ドコモPRIMEシリーズ F-09A：革新的なデザインと充実機能を両立したFOMA端末

2009年夏にNTTドコモから発売されたF-09Aは、富士通が製造したFOMA対応端末です。同社のPRIMEシリーズに属し、前機種であるF-03Aの後継機として登場しました。最大の特徴は、独自機構である「スライドヨコモーション」を採用している点です。これは、従来のスライド式と、富士通が以前から採用していた「ヨコモーション」を融合させたもので、画面をスライドさせるだけでなく、90度回転させることで横画面表示も可能です。この機構により、様々な操作シーンに対応できる柔軟性を提供しています。

ハードウェアとソフトウェアの進化

F-09Aは、3.4インチの480×960ドット液晶を搭載し、F-03Aと比較して画面サイズが向上しています。カメラ機能も強化され、富士通端末として初めて約810万画素CMOSセンサーを採用しました。画像処理には、携帯電話向けに最適化された「MilbeautMobile」エンジンが搭載され、高画質の写真撮影を可能にしています。また、「自動シーン認識」機能により、撮影シーンに合わせて最適な設定を自動で選択できます。ワンセグ放送は30fps表示に対応しており、滑らかな動画視聴を実現しています。これは富士通端末としては初の対応となります。さらに、シャープ製端末以外では初となる「ドルビーモバイル」にも対応しています。

操作性も向上しており、F-03Aでは下部のファンクションキーに依存していたタッチパネル操作は、「待受ランチャー」の導入により、タッチパネルによる直感的な操作が多くの場面で可能となりました。iモードブラウザやフルブラウザでは、タッチパネルによる文字入力にも対応しています。一方、従来機種にあった「タッチセレクター」は廃止されました。

充実の機能とセキュリティ

F-09Aは、GPS機能に海外対応を追加し、電子コンパスも搭載するなど、位置情報に関する機能も充実しています。「ロケーションレーダー」アプリを使用することで、現在地周辺の施設検索や目的地までのルート案内などが可能です。

セキュリティ面では、富士通独自の指紋認証センサーを搭載し、高いセキュリティを提供しています。指紋認証に加え、隠しフォルダや自動ロックなどの機能も備えています。

健康管理機能も強化されています。タニタ製の体組成計や血圧計と連携し、測定結果を端末で管理できます。また、加速度センサーを用いて運動強度を測定し、消費カロリーを計算することも可能です。さらに、ニュアンスコミュニケーションジャパンが開発した中国語入力システム「Phrasal Text Input」を搭載し、簡体字でのメール作成も可能です。

発売と不具合対応

F-09Aは2009年5月19日に開発が発表され、6月10日に発売されました。当初はiモードブラウザの高度化やiアプリタッチなどの機能も予定されていましたが、先行機種の不具合の影響により、一部機能は無効化された状態で発売されました。その後、ソフトウェア更新によって不具合修正や機能追加が順次行われました。

まとめ

F-09Aは、革新的なスライドヨコモーション機構、高性能カメラ、充実した機能、そして高度なセキュリティを備えた、先進的なFOMA端末でした。健康管理機能の搭載も時代のニーズを捉えたものであり、当時としては非常に魅力的な機種と言えるでしょう。発売後の不具合対応も積極的に行われており、ユーザーへの配慮も伺えます。CMキャラクターが木村拓哉から瑛太へと変更されたことも話題となりました。

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