F-15僚機撃墜事故

F-15僚機撃墜事故

1995年11月22日、石川県能登半島沖で発生した航空自衛隊のF-15J戦闘機による誤射による僚機撃墜事故について説明します。この事故は、自衛隊史上初めての「撃墜」とされ、航空機による撃墜の史上唯一の事例となっています。

事故概要

事故は午前8時40分頃に発生しました。第6航空団第303飛行隊に所属するF-15J戦闘機が訓練中、A一等空尉が操縦する機体（シリアルナンバー62-8870）が、なぜか敵役として訓練を受けていた同じ部隊のF-15J（シリアルナンバー52-8846）を誤ってミサイルで撃墜しました。訓練中だったB二等空尉はすぐに脱出し、無事でしたが、機体は海へ沈んでしまいました。この事態は、自衛隊にとって通算8機目のF-15墜落事故として記録されています。

事故の経緯

当日の午前8時23分、二機のF-15J戦闘機が小松基地を離陸し、空中戦闘機動（ACM）訓練を行っていました。緊急発進機であり、ミサイルを二発搭載していましたが、実弾射撃は予定に含まれていませんでした。訓練の進行中、A一尉が敵機の後方に接近した際、AIM-9Lミサイルを誤発射する瞬間が訪れました。

この事故の詳細な時間の流れは次の通りです:

• - 8:36: 両機とも火器管制スイッチがオフであることを確認。
• - 8:38: A一尉の機がB二尉機の後方に接近。
• - 8:39: A一尉が「エマージェンシー」と報告、次いで「ベイルアウト」と言及。
• - 8:40: AIM-9Lミサイルが発射されたことを報告。
• - 8:41: B二尉が無事に着水したことを報告。

B二尉は海上で漁船に救助され、その後、小松基地のヘリコプターで帰還しましたが、軽傷を負う結果となりました。失われた機体は一週間後に発見され、翌年に回収が終了しました。

影響と経過

事故後、航空自衛隊は全戦闘機の安全点検を実施し、小松基地では一時、飛行訓練を中断しました。その後の調査では、パイロットの操作ミスが主要な要因であるとされたため、関連する航空自衛隊の幹部とパイロットは処分を受けました。A一尉は操縦資格を剥奪され、10日の停職処分となりました。さらに、地検に過失航空危険罪として書類送検されましたが、結局、起訴猶予となりました。

しかし、その後の調査では、A一尉が誤ってミサイル発射系統を作動させたことでひらめき、事故が予期せぬ形で起こったという結論に達しました。

その後の状況

B二尉は現在も航空自衛隊での服務を続けており、外部活動にも参加しています。また、事故機の一部の残骸は現在も保管されており、市川市の大型ゲームセンターに展示されています。

この事故は、航空自衛隊の訓練や安全対策に多大な影響を及ぼし、以降のパイロット教育や飛行安全に対する意識の向上につながりました。

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