F-15EX (航空機)

F-15EX 機体概要

F-15EXはアメリカ合衆国のボーイング社が開発した双発式複座多用途戦闘機で、イーグルIIという愛称で知られています。この機体は、カタール空軍向けのF-15E（F-15QA）をベースにしつつ、最新のデジタル技術を搭載しています。具体的には、デジタル・フライ・バイ・ワイヤ操縦システム、最新のアビオニクス、そして増設されたハードポイントが特徴です。2020年7月には、アメリカ空軍から初の発注を受けたと報告され、開発と運用試験が行われています。

運用の歴史

F-15EXはF-15C/Dを操縦する空軍州兵向けに設計され、初号機と2号機はF-15QAから仕様が変更されました。初飛行は2021年2月にミズーリ州で行われ、その後の配備、評価試験が続きました。特に、「ノーザン・エッジ2021」演習では、実際の戦闘に近い条件下でその能力が試されました。2022年にはAIM-120D AMRAAMの試射にも成功しており、2023年9月には運用評価試験が始まりました。

しかし、はじめは計画通りの納入が進まず、項目管理の問題が確認されました。特に、前胴コンポーネントの品質と部品の組み立てに関するトラブルが報告されており、その影響で納入が遅れています。

機体仕様

エンジンにはゼネラル・エレクトリック製F110-GE-129Eが使用され、推力は29,000ポンド、最大速度はマッハ2.5に達します。また、コックピットは最新の技術が導入されており、主要な情報が大型タッチパネルで表示されるシステムになっています。また、後部座席は従来の兵装システム士官の役割から操縦士の役割に変更され、単座機的な運用も可能となっています。

アビオニクスと兵装

F-15EXのアビオニクスは先進的なレーダーとミッションコンピュータから成り立っています。特にアクティブ・フェーズドアレイ（AESA）レーダーは、探知距離や信頼性を大幅に向上させています。また、自己防御用の電子戦機能も搭載されており、周囲の電子環境に迅速に対応可能です。

武装面では、最大で10,433kgの兵装を搭載でき、空対空ミサイルはAIM-9XやAIM-120を使うことができます。また、胴体中央にはロッキード・マーティン製のレギオン・ポッドを装備することができ、状況に応じた戦闘運用が可能です。

調達と配備計画

最初の計画ではアメリカ空軍は144機のF-15EXを導入する予定でしたが、その後80機に削減され、発注が実施されました。配備先としてはオレゴン、マサチューセッツ、カリフォルニア、ルイジアナの州兵部隊が指定されており、初めての実戦部隊がオレゴン州に配備される予定です。一方、イスラエルやインドネシアではそれぞれ25機と24機の調達に関する計画が進められています。

まとめ

F-15EXは、最新技術を駆使した高性能戦闘機として、アメリカ空軍における空中戦の主力としての役割を果たすことが期待されています。これからの運用や配備が注目されています。

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