F-84 (航空機)

F-84シリーズ: 戦闘機の頂点を目指して

F-84は、西側諸国の航空戦力を支えたアメリカ合衆国のリパブリック社が開発したジェット戦闘機であり、冷戦時代に広く使用されました。特に、P-47の後継機としてその役割を果たしました。F-84は、直線翼を持つF-84A～E/G サンダージェット(Thunderjet)と後退翼を有するF-84F サンダーストリーク(Thunderstreak)に大別され、さらには偵察機のRF-84F サンダーフラッシュ(Thunderflash)や、最先端の試作機XF-84Hも存在します。特に後退翼機の技術は、後のF-105に引き継がれました。

F-84A～E/G サンダージェットの開発

F-84の開発はXP-84として1944年に始まり、初飛行は1946年のことです。最初の量産型であるF-84Bは、226機が生産されましたが、いくつかのトラブルのため早期退役が決定されました。その後、改良型F-84Cが登場し、最終的に約3,000機のF-84Gが生産されました。F-84Gは、その当時空中給油能力を持つ初の単座機で、核爆弾を搭載する能力もあり、NATO諸国に広く供与されました。

F-84シリーズには多くの特長があります。直線翼を持つデザインは、エアインテークが機首に配置されており、非常に洗練された胴体形状を実現しています。そのため、F-86と同等の速度を誇っていましたが、高高度での運動性能は劣っていました。それでも、パワーでの強靭さがP-47に似ており、開発ほどには悪い評価を受けることはありませんでした。また、1950年の北大西洋無着陸横断も、F-84のターボジェット単座機が初めて成功させた偉業の一つです。

実戦での活躍

1950年からの朝鮮戦争では、F-84Gが主に対地攻撃任務に使用されました。当初、北朝鮮側は航空力が弱かったため、F-84の戦闘は比較的スムーズに行われましたが、中国人民志願軍の介入に伴い、MiG-15との交戦が始まりました。F-84は機動性に欠けるため、防御的な任務に切り替えられるしかし、10機のMiG-15撃墜を達成するなど一定の成功を収めました。

F-84F サンダーストリークとその後

F-84Fは、後退翼を採用したモデルであり、YF-96という試作機から進化しました。朝鮮戦争のニーズに応じて強化されたこれらの機体は、燃料搭載量を増やし、エンジンも強化されましたが、その重量増加のため機動性は低下しました。しかし、サンダーストリークもまた、偵察型のRF-84Fとして機能しました。

性能と諸元

F-84の諸元は以下の通りです：

• - F-84G サンダージェット

- 全幅: 11.1m
- 空虚重量: 5,043kg
- 最大速度: 540kt (1000km/h)

• - F-84F サンダーストリーク

- 全長: 13.23m
- 空虚重量: 6,270㎏
- 最大速度: 1,100km/h

• - RF-84F サンダーフラッシュ

- 全長: 14.48m
- 空虚重量: 6,360㎏
- 最大速度: 1,010km/h

F-84シリーズは冷戦期の航空戦力の一端を担い、その技術と歴史は今も語られています。特にF-84は、その性能と運用の多様性から多くの国に採用され、時代の流れを超えて影響を及ぼしました。

F-84シリーズは、航空軍事史において重要な地位を占めており、その記憶は多くの軍事愛好家や航空ファンの間で今なお色あせることはありません。

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