F-94 (航空機)

F-94概要

F-94は、ロッキードによって開発された全天候型戦闘機であり、通常はスターファイアシリーズとして知られています。特にC型以降には公式の愛称である“スターファイア”が与えられ、これが広く認知されています。この戦闘機は、冷戦時代における米国の防衛戦略の要所となり、主に夜間戦闘能力の強化を目指して設計されました。

開発の背景

第二次世界大戦後、冷戦が激化する中で、夜間の防空任務が深刻な課題となりました。特に、ソ連が核実験に成功し、抑留していたB-29を解析してコピー機Tu-4を実戦配備したことにより、アメリカに対する核攻撃の脅威が高まり、米空軍は新たな戦闘機の開発を急務としました。これに応じて、ジェット機ベースの夜間戦闘機が必要とされることになり、複座の新型機開発が進められ、1948年に初めて進空しました。

初飛行は1949年4月16日で、当初はETF-80Cとして知られていましたが、その後YF-94として名称が変更されました。このモデルの約110機が量産され、主にレーダーと火器管制装置（ヒューズ E-1）を搭載し、夜間戦闘能力を強化した機体として期待されました。

技術的特長

F-94には、AN/APG-33レーダーと射撃コンピュータ（スペリー A-1C）が装備され、地上データリンクを通じて操作が可能でした。機体構造は低翼配置の直線翼で、インテイクはT-33と同様に胴体脇に配置されています。武装としては、A/B型では機首のAN/M3 12.7mm機関銃を4基装備し、主翼には追加のガンポッドを装備できる改良が行われましたが、火力面では不足感が否めませんでした。これに対応するため、20mm機関砲への換装が考案されましたが、正式には実施されませんでした。

C型は、武装を一新し、機首にロケットを搭載する形態に変更されました。Mk4 FFARマイティ・マウスを搭載し、夜間戦闘での威力を増しましたが、発射速度やエンジンの煙が問題視され、後期の運用では主に主翼にロケット弾ポッドを装備する形に落ち着きました。

初期運用と成果

1950年5月、朝鮮戦争勃発と同時に配備を開始し、夜間での空中戦においても成功を収めました。F-94はその後1959年まで実戦部隊で使用され、その後は州兵に転属されるなどの運用が続きました。さらに練習機やチェイス機としての評価もありました。

主要仕様

F-94B型の主な性能は以下の通りです：

• - 全長：12.21m
• - 全幅：11.86m
• - 全高：3.86m
• - 自重：4.5t
• - エンジン：アリソン J33 遠心式ターボジェット（推力2.4t）
• - 乗員：2名
• - 武装：12.7mm機銃4基、ガンポッド2基、爆弾最大900kg

派生型

• - YF-94：試作機
• - F-94A：量産型、110機製造
• - F-94B：改良型、357機製造
• - F-94C：大規模改良型、387機製造
• - EF-94C：偵察機型
• - YF-94D：試作機
• - F-94D：戦闘爆撃機型、112機生産計画あったが未生産

F-94は都市伝説や映画など多くのメディアにも登場し、冷戦時代の航空機の象徴的存在として多くの人々に認識されています。

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