F2F (航空機)

F2F（Grumman F2F）

F2Fは、アメリカ合衆国のグラマン社が設計・開発した艦上戦闘機で、主にアメリカ海軍で使用されました。この機体は、FF戦闘機の単座型として位置づけられており、複座設計に基づく高性能な航空機を目指しました。合計55機が製造されるにとどまり、比較的短い運用期間を経て部隊から退役しています。

機体の設計

F2Fは単座複葉機として設計され、機体の全体的なフォルムは機敏でありながらも頑丈な印象を与えます。上翼は胴体の上部に配置され、胴体は寸胴で太く短いデザインが特徴です。コックピットは機体の中央に位置し、主脚は胴体の両側に収容される設計がなされています。この特徴的な形状により、安定した飛行性能が実現されていますが、全体的には先代のFFよりも小型化が図られています。

開発の背景

F2Fの開発は1932年に始まりました。最初に試作機XF2F-1が発注されると、1933年10月には初飛行を成功させました。この試作機の性能が良好だったため、アメリカ海軍は量産型の開発を決定し、154機を発注しました。1935年からは空母レキシントン (CV-2) の第2戦闘飛行隊に配備され、その後レンジャー (CV-4) やアメリカ海兵隊にも展開されました。

ただし、F2Fの運用は長続きせず、1936年からは新たに登場したF3Fフライングバレルの配備が始まりました。この機体は方向安定性が向上しており、部隊への機種更新が進められた結果、F2Fは1940年までに実働部隊から退役することとなりました。

機体の諸元

F2F-1の仕様は以下の通りです：

• - 全長: 6.53 m
• - 全幅: 8.69 m
• - 全高: 2.77 m
• - 空虚重量: 1,221 kg
• - エンジン: Wright R-1535-72 星型レシプロエンジン（出力650 hp）
• - 最大速度: 383 km/h
• - 航続距離: 1,585 km
• - 乗員: 1名
• - 武装: 7.7mm機銃 2丁

各型

• - XF2F-1: 1機製造された試作機。BuNo. 9342。
• - F2F-1: 量産型が55機製造され、BuNo. 9623から9676および9997が割り振られています。

現存する機体

現在、完全な状態で残っているF2Fの機体は存在しません。これはその限られた製造数と短い運用期間によるものでしょう。

F2Fに関する情報は、以下の書籍を参考にしています：

• - Gordon SwanboroughとPeter M. Bowersによる『United States Navy Aircraft Since 1911』(1976年出版)に詳しい記述があります。

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