F43断層

F43断層について

F43断層は、能登半島の北側沿いに分布する、全長100kmを超える活断層です。この断層は、2024年1月1日に発生した能登半島地震を引き起こした要因の一つとして考えられています。断層は逆断層型であり、東に45度傾斜していることが確認されています。この断層は、国土交通省が2014年にまとめた報告書で「F43」と命名されました。Fは英語の「fault」（断層）の頭文字です。

概要

F43断層は、東日本大震災後の海底地震想定の見直しの中で、国土交通省によって活断層の一つとして報告されました。報告書では、F43断層と連動してF42断層が活動した場合、最大でマグニチュード7.6の地震が発生する可能性があると予測されています。この規模は、阪神・淡路大震災の約2.8倍、熊本地震の本震の約8倍のエネルギーに相当します。

F43断層は、さらに詳細な分類がされており、東側から順に珠洲沖セグメント、輪島沖セグメント、猿山沖セグメント、門前沖セグメントという複数のセグメントで構成されています。

周辺で発生した主な地震

F43断層周辺では、過去に以下の地震が発生しています。

2007年3月25日：能登半島地震（Mj6.9, Mw6.7）
2020年～継続中：能登群発地震（最大Mj7.6, Mw7.5）
2022年6月19日：石川県能登地方を震源とする地震（Mj5.4, Mw5.1）
2023年5月5日：奥能登地震（Mj6.5, Mw6.2）
2024年1月1日：能登半島地震（Mj7.6, Mw7.5）

これらの地震は、F43断層の活動と関連している可能性があります。

隆起と段丘地形

能登半島北岸では、完新世の海成段丘が形成されていることが確認されており、地殻変動によって更新世海成段丘とは異なる段丘が形成されてきました。2024年の能登半島地震では、F43断層の活動により新たな隆起が発生し、輪島市門前町五十洲の漁港では4メートルもの隆起が観測されました。この隆起量は、数千年分の地殻変動に相当し、他の地震と比較しても非常に大きな変化です。この隆起によって、新たな海成段丘が形成されました。

専門家は、「100万年以上前から繰り返し起こる地震による隆起が累積し、能登半島が形成されたと考えられる」と述べています。

F43断層の別名

F43断層には、以下の別名も存在します。

NT2〜NT9の小断層（東京大学地震研究所）
W7（国土交通省がF43について検討会を開いた際に使用された仮称）

周辺の断層

F43断層の周辺には、以下の断層も存在します。

F42断層
F44断層
F45断層
F46断層
邑知潟断層帯

これらの断層も、周辺地域の地震活動に影響を与えていると考えられます。

脚注

国土交通省の報告書 を参照。

関連項目

活断層
日本の断層一覧
日本海側に存在する活断層一覧
能登群発地震

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