F4F (航空機)

F4F ワイルドキャットについて

F4F ワイルドキャット（Grumman F4F Wildcat）は、アメリカのグラマン社が開発した艦上戦闘機で、主に第二次世界大戦で使用されました。この機体の愛称「ワイルドキャット」は、スラングとして意地悪な女性を指すこともありますが、元々は「山猫」や「野良猫」を意味しています。グラマン社では、F4F以降の艦上戦闘機に「キャット」という名称を採用する傾向がありました。

F4Fは、グラマン社だけでなく、ゼネラル・モーターズでも展開され「FM ワイルドキャット」としても製造されました。実は、FM型の方が生産機数も多かったのです。また、イギリスでは「マートレット」としても使用されていました。エリック・ブラウンという操縦士は、第二次世界大戦初期の戦闘機の中で非常に優れた性能を持つ機体としてF4Fを高く評価しています。

概要

F4Fの開発は1936年に始まり、アメリカ海軍によって新型艦上戦闘機の競争試作が行われました。グラマン社は、これまでに複葉機の艦上戦闘機を提供してきましたが、初期の設計案は他社の機体に劣っていたため、急遽単葉機として再設計されました。最初に選ばれたのはブルースター社のF2Aバッファローでしたが、F2Aの生産能力が低いため、海軍はF4Fの大量生産を決定しました。この結果、F4Fは、日本海軍の零戦と戦うこととなったのです。

各型の特徴

F4F-3

最初のロットは1940年1[[2月]]に部隊に配備されました。しかし、いくつかの問題が残っていたため、改良型のF4F-3Aが登場しました。

F4F-4

この型からは折り畳み翼が搭載され、収容能力が向上しました。ただし、重量の増加が問題となり、護衛空母には不向きとされました。

F4F-7

偵察機型で、軽量化が図られたことにより航続距離が大幅に伸びました。

FM 系列

F4Fの生産が減少する中、ゼネラル・モーターズはFM系統のワイルドキャットを製造しました。FM-1およびFM-2は主に護衛空母に配備され、上陸作戦や特攻機の迎撃などで活躍しました。

諸外国での運用

F4Fはアメリカ海軍だけでなく、フランス海軍やイギリス海軍でも運用されました。フランスからの81機の発注は、フランスがドイツに降伏したためイギリスに転用されることになりました。これにより、イギリス海軍の「マートレット」として活躍し、艦載戦闘機の重要性が強調されました。

戦争での活躍

太平洋戦争の初期においては、F4Fは珊瑚海海戦やミッドウェー海戦などに参加し、数多くの戦果を上げました。特に、ガダルカナルでの戦闘では、優れた防御力と自動防漏機能が役立ちました。また、緊急時には迅速な急降下が可能で、敵機に対する有効な対抗策となりました。

F4Fは日本の零戦に対抗するための重要な戦力として位置づけられ、航空戦における米軍の勝利に寄与しました。総じて、F4F ワイルドキャットはその堅牢な構造と多様な運用で、第二次世界大戦を通じて強力な戦闘機としての地位を確立したのです。

もう一度検索