FB-22 (航空機)

ロッキード・マーティン FB-22の概要

ロッキード・マーティンが提案したFB-22は、F-22ラプターを基にした戦闘[[爆撃機]]で、アメリカ[[空軍]]向けに開発されました。この機体は、単なる戦闘機ではなく、爆撃能力を兼ね備えた暫定爆撃プラットフォームとして位置付けられていました。FB-22の開発には約50億から70億ドルの費用が見込まれており、2013年には初飛行を行い、2018年までに実戦配備される予定でした。 しかし、いくつかの要因により計画は中止されました。

FB-22計画中止の背景

2006年に実施された四年ごとの国防計画見直しにより、アメリカ軍は開発コストが高く、進化の余地が大きい亜音速ステルス長距離爆撃機の方を重視するようになりました。また、2008年初頭にはボーイングとロッキード・マーティンによる次世代爆撃機の共同開発が発表され、バラク・オバマ政権下でF-22Aの生産が終了したことも、FB-22計画の中止につながりました。

機体と設計

FB-22の設計には、F-22の機体を基にすることに加え、主翼がデルタ翼に変更されています。垂直尾翼のデザインには2つの案が存在し、従来型をそのまま使用する案と、無尾翼化の案がありました。無尾翼型の場合、X-44の飛行データを活用することで開発期間の短縮も図る計画がありました。

機体の特徴

FB-22は、以下のような特徴を備えているとされています：

• - F-35と高い共通性を持つアビオニクスシステム。
• - 外部に武装を搭載するウエポンベイの設計。
• - 拡張されたウェポンベイには、GBU-39 SDBを35発搭載可能。
• - 迷彩効果を高めるための帯電式外皮コーティング。
• - 燃料搭載量を増大させるための可変式外皮パネルを用いた燃料タンク。
• - マッハ1.5での超音速巡航能力。
• - B-2爆撃機の75%の航続距離（約9,000km）。
• - F-22との共通部は約30%で、コスト削減を図るためにM61A2砲と推力偏向システムを撤去。

ただし、FB-22は自衛のためにAIM-120やAIM-9を搭載することが可能であったものの、対空戦闘能力はF-22よりも劣ると考えられていました。

FB-22計画中止の主な理由

FB-22計画が中止に至った理由はいくつかあります。第一に、F-22自体の開発・製造コストが非常に高いことです。加えて、当時のイラクでの軍事活動に多額の予算が使われていたことも影響しています。また、FB-22のウェポンベイは全て内部に搭載されるため、機体のサイズからはGBU-28などの大型爆弾を搭載することが難しくなり、結果的に性能面でF-15E戦闘[[爆撃機]]に後れを取ることになりました。さらに、F-15Eは維持コストが基本的に低く、十分な対地攻撃能力を持ちながらも、優れた空戦能力を誇っていました。

FB-22はB-1やB-2のミッションの一部しか引き継げず、航続距離や爆弾搭載能力においても劣っていたため、資源をかける価値がないとの判断が下されました。こうした理由から、FB-22の構想は早期に終了することとなりました。

登場作品

FB-22は、主に航空機関連の文献やメディアに登場することがあります。その際、その技術的な特徴や開発経緯が注目されることが多いです。

参考文献

• - ジェイ・ミラー著、石川潤一訳『最強戦闘機 F-22ラプター』、ISBN 978-4-89063-221-3。

関連項目

• - FB-23: ノースロップグラマンによる暫定爆撃プラットフォームの候補
• - B-2: 同じくノースロップグラマンの暫定爆撃プラットフォーム候補
• - B-1R: ロックウェルの暫定爆撃プラットフォーム候補

FB-22の構想は、先進技術が織り込まれた夢の戦闘[[爆撃機]]として注目を集めていますが、その実現に至ることはありませんでした。

もう一度検索