FCモスクワ:消滅した首都のクラブ
FC
モスクワ(
ロシア語: Футбольный клуб Москва)は、かつて
ロシアの
モスクワを本拠地としていたサッカークラブです。2007年の
ロシア・プレミアリーグでは4位という最高成績を収めましたが、残念ながら
2010年に解散しました。
歴史
FC
モスクワの歴史は、長年にわたりトルペド・
モスクワを支援してきた国営自動車工場ZIL( Zavod Imeni Likhacheva )の経営難に端を発します。ソ連崩壊後の市場経済化の波に乗り切れず、1990年代にZILは経営危機に陥りました。その影響はトルペドにも及び、
1996年には
ルジニキ・スタジアムを所有するルジニキ株式会社に売却され、本拠地もトルペド・スタジアム(現
エドゥアルド・ストレリツォフ・スタジアム)から
ルジニキ・スタジアムへ移転しました。
しかし、ZILはトルペド・スタジアムを本拠地とする新たなクラブを1997年に創設します。この新クラブは、既存のトルペドとの区別のため、当初はトルペド・ジルと名乗りました。その後、
2003年から
2004年まではシベリアの鉱山会社ノリリスク・ニッケルがクラブを買収し、トルペド・メタルルグと改称。さらに
2004年からは
モスクワ市がクラブ運営を引き継ぎ、FC
モスクワへと名称を変更しました。
しかし、FC
モスクワの苦難は続きます。
2010年1月、ノリリスク・ニッケルがスポンサーから撤退し、再び経営難に陥ります。その結果、同年2月17日に
ロシア・プレミアリーグから除外され、
ロシア・アマチュアリーグ
モスクワ地区(4部)に所属することになりました。2010シーズンは3位という成績を残しましたが、シーズン終了後にクラブは解散という結末を迎えました。
クラブ名の遍歴
1997年-2002年: トルペド・ジル (Торпедо–ЗиЛ)
2003年-
2004年: トルペド・メタルルグ (Торпедо–Металлург)
2004年-2010年: FCモスクワ (ФК Москва)
タイトル
国内タイトル: なし
国際タイトル: なし
FCモスクワは、その短い歴史の中でタイトルを獲得することはできませんでした。
過去の成績
ロシアリーグでの最高成績は2007年の4位です。
歴代監督
FCモスクワは多くの監督が指揮を執りました。
セルゲイ・ペトレンコ (1997-1998)
ボリス・イグナチェフ (1998-2000)
エフゲニ・クチェレフスキ (2000-2001)
ヴァディム・ニコノフ (2001-2002)
セルゲイ・アレイニコフ (2003)
ワレンチン・イワノフ (2003)
ヴァレリ・ペトラコフ (2004-2005)
レオニード・スルツキー (2005-2007)
オレグ・ブロヒン (2008)
ミオドラグ・ボージョヴィッチ (2009)
歴代所属選手
FCモスクワとその前身クラブには、数多くの選手が在籍していました。
セルゲイ・コズコ
アレクセイ・ベレズツキ
ヴァシリ・ベレズツキ
イグナス・デドゥラ
ロマン・シロコフ
ルスラン・ピメノフ
アレクサンドル・リャザンツェフ
アミール・カーリッチ
アレクサンデル・フィリモノフ
オレグ・クズミン
マリウシュ・ヨプ
ブランコ・イリッチ
ラドゥ・レベヤ
セルゲイ・セマク
ピョートル・ビストロフ
アレクセイ・レブコ
アレクサンデル・サメドフ
ドミトリ・タラソフ
パブロ・バリエントス
マキシミリアーノ・モラレス
スタニスラフ・イワノフ
ダミアン・ゴラフスキ
ズヴォニミール・ヴキッチ
ドミートリー・キリチェンコ
ロマン・アダモフ
マキシ・ロペス
業務提携クラブ
FCモスクワは、以下のクラブと業務提携を結んでいました。
マンチェスター・シティFC
グラスホッパー・クラブ・チューリッヒ
上海申花
パース・グローリーFC
サンダ・ロイヤル・ズールーFC
* チョンブリFC
FC
モスクワは、短いながらも波瀾万丈な歴史を持つクラブでした。その消滅は、多くのサッカーファンにとって残念な出来事でした。