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FCNT合同会社：arrowsブランドの歩みと、レノボ傘下への事業譲渡

FCNT合同会社は、誰もが知る携帯電話ブランド『arrows』や『らくらくスマートフォン』シリーズを手掛ける企業として知られています。富士通グループから独立した同社は、2023年9月、中国のIT大手レノボ傘下へと事業が承継されるという、波乱に満ちた歴史を歩んできました。この記事では、FCNT合同会社の設立から事業譲渡までの経緯を詳細に解説します。

富士通からの独立と、経営再建の試練

FCNT合同会社の前身は、富士通コネクテッドテクノロジーズ株式会社です。2015年、富士通はPC事業と携帯電話事業を分社化することを発表。その流れを受け、2016年2月1日、富士通コネクテッドテクノロジーズ株式会社が設立されました。

しかし、設立から数年後、同社は経営不振に陥ります。2018年には、富士通が保有する株式を日系の投資ファンドであるポラリス・キャピタル・グループに譲渡。その後、FCNTホールディングス株式会社との合併を経て、2021年4月1日、社名をFCNT株式会社に変更しました。この時点で、富士通グループとの資本関係は完全に解消され、富士通は携帯電話事業から撤退しました。

経営再建を目指したFCNT株式会社でしたが、状況は改善せず、2023年5月30日には、親会社であるREINOWAホールディングス、製造を担当するジャパン・イーエム・ソリューションズと共に、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請。負債総額は約1431億円に上りました。

レノボ傘下へ：新たなスタート

経営再建の道を模索する中、FCNT株式会社は携帯電話事業の譲渡先として、レノボグループを選びました。2023年8月22日、事業譲渡契約が締結され、同月中に譲渡が完了。FCNT合同会社として、レノボ傘下で新たなスタートを切ることとなりました。

10月1日には、FCNT合同会社が正式に事業を開始。旧FCNT株式会社は、大和管財株式会社に商号変更されました。長年に渡り培ってきた技術力とブランド力を活かし、arrowsやらくらくスマートフォンシリーズの開発・販売は継続されています。

FCNT合同会社の事業所

FCNT合同会社は、神奈川県大和市に本社を置き、全国各地に事業所を展開しています。主要な事業所は以下の通りです。

本社：神奈川県大和市
札幌事業所：北海道札幌市北区
加東事業所：兵庫県加東市
東京オフィス：東京都港区芝
北海道オフィス：北海道札幌市中央区
東北オフィス：宮城県仙台市青葉区
東海オフィス：愛知県名古屋市中村区
関西オフィス：大阪府大阪市中央区
中国オフィス：広島県広島市中区
九州オフィス：福岡県福岡市博多区

今後の展望

レノボ傘下となったFCNT合同会社は、グローバル市場での展開拡大を目指すと考えられます。arrowsブランドは高い評価を得ており、レノボの技術力とのシナジー効果によって、更なる進化を遂げる可能性を秘めています。今後、同社がどのような製品やサービスを提供し、市場にどのような影響を与えるのか、注目が集まります。

関連企業

* 富士通クライアントコンピューティング：FMVブランドのパソコンを製造・販売する企業。かつては、arrowsの一部機種にも富士通のインフィニティマークロゴが使用されていました。現在もレノボの子会社です。

FCNT合同会社の今後の動向は、日本の携帯電話業界の未来を占う上で重要な要素となるでしょう。

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