FEDOR

FEDOR（Feodor）について

FEDOR（ロシア語: Фёдор）は、ロシア連邦においてAndroid Technicsと高等研究財団が共同で開発したヒューマノイドロボットです。このロボットは主に遠隔操作によって人間の動作を模倣し、限られたアクションを自律的に行う能力を持っています。FEDORの開発は、当初は救助活動を目的としていましたが、後の段階で宇宙での活動も考慮されるようになりました。

名前の由来

「Feodor」という名前は、ロシア系の男性に一般的に使用されますが、「final experimental demonstration object research」の頭文字を取ったバクロニムでもあります。初めての名称は「Avatar」でしたが、2015年に開催された救助ロボット展示会において、特別な理由があったのか、ロシアの高等研究財団の議長であるドミトリー・ロゴージンによって「Feodor」と改称されました。面白いことに、ロゴージン議長には「フョードル」という名前の孫がいるということも知られています。

開発の歴史

FEDORの開発は2014年3月に宣言され、2016年10月には二足歩行ロボットのプロトタイプが発表されました。このプロジェクトにはロシアの民間防衛省からの支援があり、5年間の計画で約3億ルーブル（約5億円）が予算として計上されました。これは同様の目的で開発されたボストン・ダイナミクス社のアトラスの開発予算（約20億円）と比較しても、かなり低価格な予算であることがわかります。

2017年4月には、FEDORが銃を射つ映像が公開され、これが「ロシア版ターミネーター」として物議を醸しました。その後、FEDORはロシアの国営コングロマリット「ロステク」の傘下にある「TsNIITochMash」によって、宇宙での宇宙飛行士との共同作業を目指して開発が進められました。このロボットの身長は180cmで、最大重量は160kg、型式番号は「AR-705RH」とされています。

宇宙での飛躍

2019年7月には新型二足歩行ロボット『Skybot F-850』が発表され、音声アシスタント機能や軽量化がされていました。また、同年8月22日にはカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から『Skybot F-850』を搭載した無人宇宙船ソユーズMS-14が国際宇宙ステーション（ISS）に向けて打ち上げられました。8月24日にドッキング作業が行われる予定でしたが、一時的に問題が発生し、最終的に8月27日に成功しました。

8月30日には、ISS内で遠隔操縦試験が実施され、その後9月7日に無人宇宙船の帰還貨物がカザフスタンに無事に降下。開発チームは、設計上の問題によりFEDORが歩行する任務を果たせなかったと報告しています。

2019年12月には、FEDORを開発したロシアの「Androidnaya Tekhnika」とアメリカのスタートアップ「GITAI」が宇宙開発関連技術の協業について合意に達しました。

まとめ

FEDORはロシアの未来の宇宙ミッションにおいて重要な役割を果たすことを期待されており、その技術は宇宙探査や災害救助分野における新たな可能性を示唆しています。

もう一度検索