FF/REWIND

岡本仁志『FF/REWIND』：多様な音楽性が凝縮されたミニアルバム

『FF/REWIND』は、岡本仁志が発表した2枚目のミニアルバムであり、前作から約1年8ヶ月ぶりとなる作品です。本作は、岡本の音楽家としての多才な側面を垣間見ることができる、バラエティ豊かな楽曲が収録されています。

新たな試みとセルフカバー

このアルバムの注目すべき点は、岡本自身初の洋楽カバーに挑戦していることです。Badfingerの「no matter what」を独自の解釈でカバーしており、原曲へのリスペクトを感じさせつつも、岡本ならではの個性が光ります。また、岸本早未に提供した楽曲「テレパシー」を自ら作詞しセルフカバーしている点も、聴き逃せないポイントです。提供曲をセルフカバーすることで、楽曲に新たな命が吹き込まれ、岡本の表現力によってより深みが増しています。

批評家からの評価

音楽雑誌「Music Freak Magazine」の小澤晶氏は、本作を「掴み所のないふわふわしたポップスのように聞こえるかもしれないが、柔らかい音の中にもしっかり芯が通っている」と評しています。この評価は、岡本の楽曲が持つ、一聴しただけでは分からない奥深さを的確に表現していると言えるでしょう。また、「CDジャーナル」は、「歌唱を含めて持ち前のポップ・センスをさまざまな曲調の中で発揮。Badfingerの「no matter what」を取り上げているあたりにコンポーザーとしてのこだわりが垣間見える」と評しており、岡本のポップセンスと作曲家としてのこだわりが、本作の魅力を引き出していることを指摘しています。

収録曲について

アルバムには、AZUKI七が作詞を手掛けた楽曲が多く収録されており、岡本の作曲とAZUKI七の作詞が織りなす独特の世界観が楽しめます。「LOST CHILD」「Autumn Sky」「静寂の間に」「It's only love」「sphere」など、バラエティ豊かな楽曲が収録されており、それぞれ異なる表情を見せています。インストゥルメンタル曲「Click Me Pt.2」は、岡本の作曲家としての才能が際立つ楽曲と言えるでしょう。

まとめ

『FF/REWIND』は、岡本仁志の音楽的な多様性と、新たな挑戦への意欲が感じられる作品です。洋楽カバーやセルフカバーといった新たな試みに加え、AZUKI七との共作による独特の世界観も楽しむことができます。ポップセンスと作曲家としてのこだわりが凝縮された本作は、岡本仁志の音楽の魅力を再発見するきっかけとなるでしょう。

収録曲

1. LOST CHILD
2. no matter what (原曲 : Badfinger)
3. Telepathy (原曲 : 岸本早未)
4. Autumn Sky
5. Click Me Pt.2
6. 静寂の間に
7. It's only love
8. sphere

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