岡本仁志

岡本仁志

岡本仁志（おかもと ひとし、6月12日 - ）は、日本のシンガーソングライター、ギタリスト、作曲家、編曲家であり、GARNET CROWの元メンバーとして知られています。GIZA studioに所属し、大阪府を拠点に活動しています。

概要

同志社大学卒業後、GIZA studioに採用され、1999年から本格的な音楽活動を開始しました。男女4人組バンドGARNET CROWのメンバーとして、1999年から2013年の解散まで活動。2000年以降は、ギターポップを基調としたソロアーティストとしても作品を発表し、倉木麻衣、小松未歩、上木彩矢など、他のアーティストへの楽曲提供や編曲も手掛けています。

中学生時代からギターを始め、大学時代にはバンドとして京都府内で活動していました。卒業後、ビーインググループに入り、1999年にZARDへの楽曲提供や船上ライブのサポートギタリストとして音楽業界に足を踏み入れます。同年には、古井弘人をリーダーとするクリエイター集団GARNET CROWを結成し、メジャーデビューから解散までメンバーとして活動しました。GARNET CROWではギター演奏に専念し、作詞・作曲・編曲には関わっていませんが、2004年以降のライブでは、岡本がボーカルとして楽曲を歌うコーナーが設けられていました。

GARNET CROWとしての活動と並行して、2000年11月8日にソロアーティストとしてCDシングル『First fine day』を発売。その後、2005年までにシングル2枚、ミニアルバム2枚をリリース。2010年12月8日には、SUPER LIGHT名義で3枚目のミニアルバム『Now Printig...』を発表しました。ZARDをはじめ、倉木麻衣や小松未歩など、ビーインググループ所属アーティストへの楽曲提供や編曲も多数手がけており、倉木麻衣に提供した「P.S♡MY SUNSHINE」は、CDシングル表題曲としてオリコン8位を記録しました。また、2002年1月12日からラジオ番組「PASTIME PARADISE」（α-station）のラジオパーソナリティを担当していましたが、GARNET CROWデビュー9周年の2009年3月29日にレギュラー放送を終了しています。

経歴

少年時代・学生時代

小学生時代は、冬でも半袖短パンで過ごす活発な少年でした。柔道が得意な兄の影響で、自身も柔道に親しんでいました。小学校6年生の頃にバンドブームが起こり、THE BLUE HEARTS|THE_BLUE_HEARTSなどを聴いて育ちました。中学2年生の頃、友人のピアノ演奏に触発され、ドラムを演奏したいと考えましたが、住宅事情を考慮してギターを購入。当時は兄の受験勉強の妨げになるという理由で、車の中で練習していたそうです。流行曲のバンドスコアを少しずつコピーすることで、音楽の知識を深めました。高校時代は軽音楽部に所属し、ガンズ・アンド・ローゼズやMR. BIGなどのコピーバンドを組みました。この時期には、後にITコンサルタントとなる渡辺聡と一時的に同じバンドに所属していました。大学では同志社大学に通い、軽音サークルでバンド活動を行っていました。様々なライブハウスで演奏し、チケットを販売するなど精力的に活動しましたが、人気は得られなかったそうです。

ビーイング入り・GARNET CROW結成

大学4年生の頃、バンド活動が停滞したため、就職活動の一環としてビーインググループにデモテープを送ったことがきっかけで、同グループに入ることになりました。その後、1999年から音楽活動が本格的に始まります。

1999年4月7日には、岡本仁として作曲・編曲した「Hypnosis」が、ZARDのCDシングル『MIND GAMES』に収録され発売されました。これが岡本の作品として初めて世に出た楽曲です。この作品では、後のGARNET CROWのアレンジャーとなる古井弘人と共同で編曲を担当しており、当時岡本はまだ学生でした。同年8月31日には、ZARDの船上ライブ「Cruising & Live」に参加し、サイドギターを演奏しました。この際、作曲家の大野愛果と出会い、「おかもっち」という愛称で呼ばれるようになりました。

同時期には、倉木麻衣の全米デビューに向けたスタジオ制作にも参加。この制作を通じて、中村由利、AZUKI七、古井弘人の3人と意気投合し、古井弘人をリーダーとしてGARNET CROWを結成。同年12月4日、GARNET CROWのギタリストとしてインディーズデビューを果たしました。この時期は多忙を極め、一時入院することもありました。2000年3月29日に同バンドはメジャーデビューを果たします。

ソロデビュー・岡本仁から岡本仁志へ

GARNET CROWの活動と並行して、ソロとしての楽曲制作を開始。2000年11月8日に、岡本仁志としてCDシングル『First fine day』を発売し、ソロアーティストとしてデビューしました。このデビューを機に、岡本仁から現在の表記である岡本仁志へと改名しました。2004年1月22日には、大阪府のhills パン工場にて「OKAMOTO NIGHT」と題した初のソロライブを開催。以降、hills パン工場ではゲスト出演を含めて10回以上のライブを行っています。また、ZARDの坂井泉水が生前最後に行った2004年のライブツアーにも、サポートメンバーとして参加しました。

楽曲制作

岡本個人の作品においては、ギターだけでなく全ての楽器を自身で演奏し、作曲・ボーカル収録もほぼ全て岡本自身で行い、それをコンピュータ上で編集するという宅録スタイルをとっています。そのため、ギターを弾いている時間よりも、音をコンピュータ上で編集、加工している時間の方が長いそうです。宅録の手法を選択する理由は、自身の理想とする楽曲を追求するためであり、制作途中のデモテープの感じが良いという評価を受けたこと、自宅で落ち着いて制作できることなどが挙げられています。

作曲はギターを使用し、コードを弾きながら鼻歌を歌う形で行われます。曲の長さを3分台に納めることを意識しており、「3分以内の曲で他人を納得させられないのであれば、4分、5分になっても同じである」というポリシーに基づいています。歌詞は主にAZUKI七から提供されており、彼女の婉曲的な表現が自身の音楽に合っていると語っています。

使用楽器

岡本仁志が使用したギターには、Gibson・ES-335、Gibson・Historic Collection '57 Les Paul Gold Top、Performance（Stratocastertype）、Fender・Stratocaster、Fender・US Fat Tele、Fender・Toronado、Paul Reed Smith・Miraなどがあります。レコーディングでは特定のギターに固執せず、様々なギターを使い分けており、古井弘人所有のテレキャスターを使用したこともあります。ライブ時のピックは必ずオニギリ型を使用し、弦は癖が少なく寿命が安定しているダダリオのものを主に使用しています。

評価・音楽性

演奏する音については、ギターらしいギターの音ではなく、あくまで曲の中におけるギターの音を追求しています。GARNET CROWにおいては、中村由利の曲とAZUKI七の詞を前提として楽曲制作がなされており、そのバランスを壊さないように配慮しています。そのため、GARNET CROWでの作曲は考えておらず、曲と詞を支える立場に徹しています。ボーカリストとしての声質は、こもりがちな声質であると自身で語っています。

外部からは、ギタリストとしては珍しくギターが控えめな作品であり、ギターのテクニックで聴き手を圧倒するのではなく、緻密な楽曲構築と温かな声で包み込むような音楽であると評されています。音楽雑誌『ROCKIN'ON JAPAN』元副編集長の宇野維正は、良質なギターポップを作曲できる岡本がGARNET CROWにおいては全く作曲を行っていないことに驚きを示し、トッド・ラングレンのように無国籍な音楽であり、邦楽からの影響がほとんど見られない点を特徴として挙げています。

ソロ作品のCD売り上げは、提供曲と比較すると差があり、オリコンチャートの圏外となる作品も多いですが、提供曲ではZARDの『MIND GAMES』のカップリング「Hypnosis」や、倉木麻衣の「P.S♡MY SUNSHINE」などがヒットしています。

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