FLAME VEIN

BUMP OF CHICKEN|BUMP_OF_CHICKEN - FLAME VEIN

『FLAME VEIN』（フレイム・ヴェイン）は、BUMP OF CHICKEN|BUMP_OF_CHICKENが1999年3月18日にハイラインレコーズから発表した初のインディーズアルバムです。2004年4月28日には、トイズファクトリーから再発盤『FLAME VEIN +1』がリリースされました。再発盤には、入手困難となっていた1stシングル「LAMP」のカップリング曲「バトルクライ」が追加収録されています。

概要

このアルバムは、わずか2日間ですべてのレコーディングを終えたというエピソードがあります。歌詞カードは、ボーカルの藤原基央がアルバイトの休憩時間を利用して手書きで作成しました。また、「CHICKEN'S MOVIE FILM」として、居場所を探す猫「ニコル」の物語が随所に綴られています。

タイトルは「炎の脈」「情熱の静脈」といった意味合いを持ち、レコーディング中にメンバーの血管が浮き上がってきた様子からインスピレーションを得て名付けられました。アルバムには、バンド初期の楽曲（1996年頃に制作された「ガラスのブルース」以降）が収録されており、隠しトラックにはさらに古い楽曲「DANNY」も収録されています。インディーズ盤の帯には「情熱は約束を守る」というキャッチコピーが記されていました。配信・ストリーミング版は『FLAME VEIN ＋1』として提供されています。

収録曲と楽曲解説

1. ガラスのブルース
藤原が初めて日本語で書いた楽曲であり、バンドにとってアンセム的な存在です。デビュー前に数々の大会で披露され、優勝を飾っています。ライブではアンコールで演奏されることが多く、MVは藤原の手書きイラストをアニメーション風に仕上げた作品となっています。歌詞カードと一部歌詞が異なっています。14thシングル「メーデー」のカップリングには、アコースティックバージョン「28 years round」が収録されています。ベストアルバム『BUMP OF CHICKEN|BUMP_OF_CHICKEN I <1999-2004>』の1曲目にも収録されており、NHKの番組「SONGS」で特集が組まれた際にも演奏されました。

2. くだらない唄
藤原が上京して一人暮らしを始めた頃、千葉に電車で帰る際に制作した楽曲です。歌詞に登場する場所にはモデルが存在します（『THE LIVING DEAD』の「続・くだらない唄」を参照）。ドラマ『天体観測』の挿入歌としても使用され、ベストアルバム『BUMP OF CHICKEN|BUMP_OF_CHICKEN I <1999-2004>』の2曲目に収録されています。

3. アルエ
藤原がアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイに一時的に本気で恋をし、彼女のイニシャルR.A（アールエー）をタイトルに冠して作詞作曲した楽曲です。歌詞中の少女の描写は綾波レイの特徴と一致しています。英語表記は「ARE」であり、「アヤナミレイ」の頭文字を表しています。再発盤の先行シングルとして2004年に7thシングルとしてリカットされました。

4. リトルブレイバー
後に1stシングル「LAMP」のカップリングとしてシングルカットされました。インディーズ時代から2003年頃までは、ライブで演奏される際に藤原の弾き語りが前奏として入ることがありました。楽曲の冒頭部分に「あ、録れた」という声が微かに聞こえます。近年ではライブでの演奏頻度は低いですが、2004年頃までは定番曲として頻繁に演奏されていました。

5. ノーヒットノーラン
野球用語の「ノーヒットノーラン」とは異なり、打者側の心情を描いた楽曲です。

6. とっておきの唄
数少ない、藤原がラブソングと公言している楽曲です。ドラマ『天体観測』の挿入歌としても使用されました。

7. ナイフ
間奏部分に藤原の咳が意図的に録音されています（デモテープの「ナイフ」には、実際の咳が録音されています）。楽曲中には、アマチュア時代を彷彿とさせる英詞が登場します。この楽曲をレコーディングした当日、藤原は風邪をひいていました。ドラマ『天体観測』の挿入歌としても使用されました。

8. バトルクライ（再発盤のみ）
1stシングル『LAMP』のカップリング曲であり、『LAMP』の廃盤に伴い再収録されました。再発盤の歌詞カードには歌詞が記載されておらず、CDトレイの下に隠されています。

隠しトラック

アルバムには、「ドッキング」（作詞・作曲:BUMP OF CHICKEN|BUMP_OF_CHICKEN）、「DANNY」（作詞・作曲:藤原基央）、「マイ ベスト フレンズ」（作詞・作曲:BUMP OF CHICKEN|BUMP_OF_CHICKEN）の3曲が隠しトラックとして収録されています。これらの楽曲は、「ガラスのブルース」の前のプリギャップ部分に収録されており、CDプレイヤーによっては再生できない場合があります。「DANNY」はBUMP OF CHICKEN|BUMP_OF_CHICKENが発表した楽曲の中で最も古いものであり、高校1年生の時に作曲された全編英詞の楽曲です。また、BUMP OF CHICKEN|BUMP_OF_CHICKENの作品に隠しトラックとして収録されている楽曲の中で唯一ライブで演奏されたことがあります。「ドッキング」「マイ ベスト フレンズ」は「グッドマナーズ」が歌っています。

『FLAME VEIN』は、BUMP OF CHICKEN|BUMP_OF_CHICKENの原点を知る上で非常に重要な作品であり、彼らの音楽性のルーツを辿ることができます。インディーズ時代の熱いエネルギーが詰まった、ファン必聴のアルバムです。

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