FLASHアニメーション

Flashアニメーションとは

Flashアニメーション（FLASH漫画、FLASHカートゥーンとも呼ばれる）は、Adobe Flashや類似のソフトウェアを用いて制作されたアニメーション作品です。これらの作品は通常、SWFファイルとして配布されます。

Flashアニメーションの特徴

Flashアニメーションの最大の特徴は、ベクトル画像を使用している点です。これにより、複雑な形状でなければデータ量を抑えられ、拡大表示しても画像が粗くなることがありません。この特性から、Web配信に非常に適しています。

Flashアニメーションの歴史

海外の動向

アメリカ合衆国では、2001年頃からFlashで制作されたアニメーションがテレビで放映されるようになりました。

日本の動向

日本では、アメリカに遅れて2006年4月にテレビ朝日の深夜枠で『THE FROGMAN SHOW』が初めてFlashアニメーションを放映しました。ただし、Web上での有料視聴番組を含めると、2001年から株式会社コンテンツジャパンが『ブラック・ジャック』を放映しています。

Flashアニメーション制作のメリット

Flashアニメーションは、トゥイーンアニメーションという自動中割機能を備えています。これにより、手描きアニメーションと比較して制作にかかる労力を大幅に削減できます。特に、リテイクに必要な作業時間を考慮すると、制作工程全体の効率化に大きく貢献します。

実際に、『夜明け告げるルーのうた』を全編Flashアニメーションで制作したサイエンスSARUでは、週休2日制・残業無しでの劇場作品制作が実現し、業界内で注目を集めました。

製作者側の視点

Flashアニメーションでは、画像が数値情報として保存されるため、制作後の編集や画像の再利用が容易です。この点が、製作者にとって大きな利点となります。

日本企業の見解

2011年のインタビューでは、日本の企業はFlashアニメーションをテレビアニメーション制作に十分に活用しているとは言えない状況であり、Flashアニメーションが手描きアニメーションに取って代わることはないだろうという認識が示されました。

中国企業の見解

一方、中国企業では、2010年のアンケート調査でFlashアニメーションが手描きアニメーションよりも高く評価され、その将来性に期待が寄せられています。

制作に使用されるソフトウェア

FlashアニメーションのSWFファイルフォーマットは一般に公開されており、アドビ以外の企業や個人もFlashファイルを扱えるソフトウェアを開発・配布できます。そのため、多くの自由ソフトウェアが公開されています。

関連項目

Adobe Flash

参考文献

小松香爾「Flashの教育内容」（PDF）『経営論集』第16巻第1号、文京学院大学総合研究所、2006年12月、145-170頁
土橋喜「ソフトウェアレビュー Flashと互換性のあるアニメーション作成フリーソフト -Suzuka-」『Com=コム：愛知大学情報メディアセンター紀要』第18巻第1号、愛知大学情報メディアセンター、2007年7月、15-29頁
一小路武安「組織における新技術評価・導入」『赤門マネジメント・レビュー』第11巻第8号、グローバルビジネスリサーチセンター、2012年、503-520頁
* 松本淳「アニメの制作プロセスとビジネス構造を変化させる 3D技術――『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』『正解するカド』『けものフレンズ』が示した3つの方向性」『アニメーション研究』第19巻第2号、日本アニメーション学会、2018年3月、17-26頁

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