FLEET

FLEET 概要

FLEETは、日本の音楽シーンにおけるポストロックバンドとして位置づけられています。当初は複数メンバーで活動していましたが、現在は中心人物である佐藤純一氏のソロプロジェクトとして活動しています。その音楽性は、インターネット上での初期の楽曲公開時から多くの注目を集めてきました。

略歴

FLEETの活動は、2004年の春に始まりました。デザイン分野でキャリアを積んでいた佐藤純一氏と、ソウル・ジャズ・ファンクバンド「オーサカ=モノレール」での活動や多様なセッションで知られるギタリスト、池田雄一氏が中心となり結成されました。特筆すべきは、結成当時、二人が同じ職場で、佐藤氏がデザイナー、池田氏がプログラマーとして働いていたというユニークな背景です。

音源の正式リリースやライブ活動が本格化する以前から、彼らがホームページで公開していた楽曲の質の高さや、ウェブサイトのデザインセンスが、ブログやソーシャルネットワーキングサービスを中心にインターネット上で大きな話題となりました。

2005年4月には、ライブサポートを務めていた仲井朋子氏が、キーボードとコーラスとして正式に加入します。仲井氏は、現代音楽や電子音楽といったアカデミックな分野での活動実績を持つ作曲家です。これにより、FLEETはトリオバンドとしての体制を確立しました。

メジャーシーンへの進出は、2006年8月23日でした。TVアニメ『イノセント・ヴィーナス』のエンディングテーマとして楽曲「Brand new reason」が採用され、ランティスからメジャーデビューを果たします。

その後、2007年6月20日には、ヤマハミュージックコミュニケーションズよりミニアルバム「pre view」を発表。この作品では、元SUPERCARのいしわたり淳治氏が作詞を担当したり、日本のポストロックバンドtoeの柏倉隆史氏がドラムで参加するなど、多才なゲストを迎え、意欲的なサウンドを展開しました。同年12月12日には、同じくヤマハミュージックコミュニケーションズからフルアルバム「review」をリリースしています。

2010年10月には、ポニーキャニオンミュージックからアルバム『TRANSIT』を発表。しかし、このアルバムの完成をもって、メンバーの池田氏と仲井氏がバンドを離れることとなりました。これは、もともとFLEETが佐藤氏一人でも活動可能な形態であったこと、そしてそれぞれのメンバーが自身のやりたいことに時間を使いたいという意向が背景にあったためです。これにより、FLEETは佐藤氏単独のソロユニットとして再編成されました。

しかし、2011年以降は、事実上の活動休止状態が続いています。

メンバー紹介

佐藤純一（さとう じゅんいち）

FLEETの中心人物であり、現在はソロプロジェクトとして活動を牽引しています。ボーカル、ギター、キーボードを担当し、多くの楽曲の作曲を手掛けています。3月14日生まれで、新潟県出身、血液型はA型です。音楽的な嗜好としては、ケヴィン・シールズ（My Bloody Valentine）、マッシヴ・アタック、細野晴臣、ブラッド・メルドーといった多様なアーティストを挙げています。東京造形大学造形学部美術学科を卒業しており、学生時代からバンド活動の傍ら、映像作品への楽曲提供や着信メロディ制作など幅広い音楽活動を行い、同時にデザインや映像制作にも精力的に取り組んできました。その才能は早くから認められ、2001年度のキャノン・デジタル・クリエイターズ・コンテスト映像部門で優秀賞を受賞し、2004年度には21世紀アジア・デザイン・コンペジションに入選しています。FLEETの活動休止後、2011年には音楽ユニットfhánaを結成。2013年8月にはランティスよりメジャーデビューを果たし、多数のアニメ主題歌を手掛け成功を収めています。2019年には、fhánaの楽曲「青空のラプソディ」で、平成を代表するアニソンに贈られる平成アニソン大賞の作曲賞（2010年 - 2019年部門）を受賞するなど、現在も第一線で活躍を続けています。

池田雄一（いけだ ゆういち）

FLEET結成時のメンバーであり、ギタリストを務めました。3月7日生まれで、神奈川県出身、血液型はB型です。高校時代はサッカーに打ち込んでいましたが、その後ギターへと転向。ギタリストとして、様々なアーティストのレコーディングやライブサポートメンバーとして活動し、その腕を磨きました。ソウル・ファンクバンド「オーサカ=モノレール」のギタリストとしても知られています。また、彼は音楽活動と並行して、プログラマー・システムエンジニアとしての顔も持ち、多様なツールの開発やウェブサイト制作にも携わっていました。2010年10月、アルバム『TRANSIT』の完成を機にFLEETを脱退しました。

仲井朋子（なかい ともこ）

2005年にFLEETに加入したキーボード、コーラス担当です。楽曲のプログラムやストリングスアレンジも手掛けていました。7月31日生まれで、神奈川県出身、血液型はO型です。お気に入りのアーティストとして、The Millennium、Maja Ratkje、Portishead、ゆらゆら帝国などを挙げています。国立音楽大学音楽デザイン科を卒業し、同大学院修士課程を修了しています。幼少期から歌、ピアノ、作曲を学び、大学ではコンピュータ音楽と作曲を専門としました。在学中から、マルチメディア作品やバンド活動など、様々な音の表現方法を模索し、作品発表を続けてきました。現代音楽・電子音楽の分野で国際的に評価されており、2001年のニューヨークの現代音楽フェスティバル「June in Buffalo」や、キューバ、スウェーデン、スペインで開催された国際コンピュータ音楽会議（ICMC）に度々入選するなど、国内外で活発な活動を行ってきました。デンマークのエレクトロニクス・ミュージック・フェスティバル「Mix 02」でも作品を発表し、現地のラジオで生放送されています。現在、東京工科大学や洗足学園音楽大学で非常勤講師を務めています。2005年4月にライブサポートを経て正式にFLEETに加入しましたが、2010年10月に池田氏と共にFLEETを脱退しました。

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