『FM
ジュークボックス』は、2010年4月から2014年3月にかけて、
NHK金沢放送局が制作し、
石川県内のNHK-FMで届けられた音楽
トーク番組です。
番組の始まりとコンセプト
この番組は、
NHK金沢放送局の開局80周年を記念する企画として、2010年4月に放送を開始しました。番組の根幹をなすのは、リスナーから寄せられる投稿や楽曲のリクエスト。これらを紹介しながら進行することで、聴取者参加型のスタイルを確立しました。また、随時、
NHK金沢放送局で予定されている番組やイベントに関する情報なども発信していました。
番組タイトルである「
ジュークボックス」は、多くの楽曲を収め、人々が選んだ音楽を届ける機械に由来しています。しかし、このタイトルにはもう一つの意味が隠されていました。それは、
石川県の市町村の数である「19(じゅー・く)」。「
ジュークボックス」という言葉遊びを通じて、地域に根差した番組であることを示唆していたのです。
なお、過去にNHK-FMで1966年から1977年まで放送されていた同名の番組が存在しますが、『FM
ジュークボックス』はこれとは全く関連がありません。
番組の特徴
番組では毎月、放送に合わせた特定のテーマが設定されていましたが、投稿内容やリクエスト曲のテーマは基本的に自由でした。そのため、実際に寄せられるお便りは多岐にわたり、様々な話題が取り上げられました。オンエアされる楽曲も、多彩なジャンルに及びました。
リスナー層も幅広く、様々な年代からの投稿がありましたが、金沢ケーブルテレビネットの番組で「
NHK金沢放送局の若者向けFM
ラジオ番組」として紹介されたこともあり、
NHK金沢放送局は比較的若い世代を主なターゲットとして想定していたようです。
放送時間
レギュラー放送は、毎月最終
金曜日の18時00分から18時50分までの50分間でした。この時間帯は通常、NHK-FMの全国放送番組が再放送されています(開始当初は『FMトワイライト』、後に『とことん○○』の再放送)。『FM
ジュークボックス』の放送がある週は、これらの番組は休止されました。
主なコーナー
番組では、年度ごとに通年のコーナーが設けられていました。
あんやとね80年(2010年度)
NHK金沢放送局にゆかりのある人物に焦点を当て、その声を紹介するインタビューコーナーでした。聞き手は
福井慎二アナウンサーが務めました。このコーナーは、テレビの
地域情報番組『かがのと情報丼』でも放送されましたが、
東日本大震災の影響により、後期の放送はFMのみとなりました。
いしかわ bonito bonito(2011年度)
「bonito」はスペイン語で「いいね!」「good!」といった肯定的な意味を持つ言葉です。このコーナーでは、
石川県を訪れた人や県外・海外に住む人々に、
石川県の魅力や驚いたことについてインタビューを行いました。聞き手は当時のMCであった
片山千恵子アナウンサーでした。
神戸のいざしゃべらんべ(2012年度)
当時のMC、
神戸和貴アナウンサーが担当したコーナーです。「喋りを仕事にする者として」という視点から、毎回設定されたテーマに基づいた小咄を披露し、話術の成長を目指すという趣旨でした。披露された小咄は、番組編集責任者の石井かおる氏によって100点満点で採点され、80点以上が合格ラインとされていました。
出演者
番組の進行を務めるMCは、放送期間中に交代しています。
片山千恵子(2010年4月~2012年1月): 初代MCとして番組をスタートから牽引しました。多忙のため、2011年9月には
西川順一アナウンサーが代役を務めた回があります。
神戸和貴(2012年3月~): 2代目MCとして番組の最後まで担当しました。
番組の編集責任者も交代しており、初代は
福井慎二氏(2010年4月~2011年5月)、2代目は石井かおる氏(2011年6月~)が務めました。福井氏は放送中に片山MCと会話を交わすなど積極的に番組に関わっていましたが、石井氏はMCの発言に反応する形で、いわゆる「影の声」のようなスタイルをとっていました。
特記事項
通常の放送形式以外にも、特別な企画が行われました。
2011年12月には、「クリスマススペシャル」として、時間を拡大し、12月24日の14時から18時までの4時間にわたる長時間の放送が行われました。
* 2012年10月と12月には、『まちスタ・ジュークBOX』と題し、金沢ケーブルテレビネット(KCT)の番組『まちスタ』とのコラボレーション企画として、香林坊ラモーダからの公開生放送が実施されました。
『FM
ジュークボックス』は、多様なリスナーと音楽、地域情報が交差する番組として、2014年3月をもってその歴史に幕を下ろしました。