FNN World Uplink

FNN World Uplink

『FNN World Uplink』（エフエヌエヌ ワールド・アップリンク）は、1991年4月8日から1993年3月31日まで、フジテレビ系列（一部地域を除く）で放送された朝の情報・報道番組です。当時のフジテレビ会長、鹿内宏明氏が主導し、報道番組の強化を目指して開始されました。番組は、専用の衛星回線「F-STAR」を活用し、ニューヨークとパリからの同時中継を特徴としていました。

番組概要

番組開始当初のコンセプトは「世界3分割」であり、朝の情報番組として高い人気を誇っていた『スーパータイム』の朝版を目指していました。ニューヨークとパリにアナウンサーを常駐させ、SNG（衛星ニュース中継）を駆使したリアルタイムな情報提供が大きな特徴でした。

番組の衛星中継は、パリからの映像を大西洋上空の衛星経由でニューヨークで受信し、さらにアメリカ国内の衛星を経由して太平洋上空の「F-STAR」に送られ、フジテレビで受信するという複雑な方式を採用していました。時差を考慮し、パリと東京間は約0.78秒、ニューヨークと東京間は約0.5秒のタイムラグがありました。

番組では、アメリカのABCニュースやフランスのTF1ニュースを同時通訳付きで放送するなど、海外の最新情報を積極的に取り入れていました。

初代キャスターには、長年昼のニュース番組を担当していた露木茂アナウンサーと、吉崎典子アナウンサーが起用されました。フジテレビ第7スタジオには大型モニターが設置され、海外支局との中継演出に使用されました。

しかし、当時、日本テレビの『ズームイン!!朝!』やTBSの『ビッグモーニング』が視聴率で強かったため、『FNN World Uplink』は苦戦を強いられました。放送開始から1年後にはテコ入れが行われ、キャスターが交代。向坂樹興アナウンサーと河野景子アナウンサーを起用し、スポーツやお天気コーナーを設けました。

1992年には、番組の企画立案者である鹿内会長が失脚。その後、番組は短期間でテコ入れを繰り返しましたが、視聴率の低迷は改善せず、1993年3月31日に終了しました。後番組は『FNN おはよう!サンライズ』です。

放送時間

• - 月曜日～金曜日 6:00 - 7:30（JST）

出演者

初代キャスター

• - 露木茂
• - 吉崎典子

2代目キャスター

• - 向坂樹興
• - 河野景子

主なコーナー

• - World Top News（世界各地のトップニュースを紹介）
• - Weather Report（天気予報）
• - Sports & Entertainment（スポーツ＆エンターテイメント）
• - Economy Roundup（経済情報）

歴代のオープニング

番組のテーマ曲は関口敏行氏が作曲しました。

• - 初代（1991年4月8日 - 1992年3月31日）：朝焼けの街をモチーフとしたCG。
• - 2代目（1992年4月1日 - 9月30日）：初代のアレンジ版で、朝焼けを青空に変更。
• - 3代目（1992年10月1日 - 1993年3月31日）：お天気カメラなどを背景に、タイトルロゴが「World Uplink」から「ワールドアップリンク」に変わるCG。

ハプニング

番組は、衛星中継に依存していたため、天候の影響で回線トラブルが頻繁に発生しました。

• - 1992年12月18日：ニューヨーク支局の永麻理アナウンサーとパリ支局の筒井櫻子アナウンサーの声が甲高く放送された。
• - 1993年3月5日：パリ支局の筒井櫻子アナウンサーの中継で、音声は正常だったが映像がフリーズした。

これらのハプニングは、後に『FNS番組対抗NG名珍場面大賞』で放送されました。

ネット状況

• - 山形テレビ：番組終了翌日にANN系列にネットチェンジ。
• - 東海テレビ：当初は30分番組だったが、後に放送時間が拡大。
• - 関西テレビ：『FNN World Uplink おおさか』として放送し、ローカルパートを挿入。
• - テレビ大分と鹿児島テレビ：日本テレビ系列の番組を放送していたため、当番組は放送されなかった。

『FNN World Uplink』は、国際的な視点を取り入れた画期的な番組でしたが、視聴率の低迷と運営上の問題から、短期間で終了することになりました。しかし、その挑戦的な試みは、後の報道番組に影響を与えたと言えるでしょう。

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