FOSDEM

FOSDEM (Free and Open Source Development European Meeting) について

FOSDEMは、フリーおよびオープンソースソフトウェア（FLOSS）開発に焦点を当てた、ヨーロッパ最大級のイベントです。世界中からFLOSS開発者や関心を持つ人々が集まり、知識や経験を共有し、交流を深める場となっています。

イベントの目的

FOSDEMの主な目的は以下の通りです。

FLOSS開発者間の交流促進
FLOSSの認知度向上と利用促進
最新技術や開発動向の情報交換

イベント開催概要

毎年2月、ベルギーのブリュッセル自由大学（ULB）で開催されます。イベントは金曜日の夜から始まり、土曜日と日曜日にかけて様々なプログラムが展開されます。

金曜日のビールイベント

イベント前日の金曜日夜には、参加者同士の交流を深めるためのビールイベントが開催されます。ブリュッセル中心部のバーで、ベルギービールを楽しみながら、参加者同士が親睦を深めます。2008年からはデリリウムカフェが会場となっています。

土曜日と日曜日

土曜日は、基調講演で幕を開けます。その後、複数のトラックに分かれて講演が行われ、参加者は自分の興味や専門分野に合わせてセッションを選択できます。また、テーマ別の開発者向け会議室「devroom」が設けられており、参加者は特定のテーマについて深く議論することができます。devroomでは、OS、プラットフォーム、フレームワークなど、特定の技術分野に焦点を当てた議論やワークショップが行われます。

FOSDEMの歴史

FOSDEMは、当初「OSDEM (Open Source Developers of Europe Meeting)」という名称で、ラファエル・ボードワン氏によって創設されました。ボードワン氏は、自身にはコーディングなどの技術的なスキルがないものの、オープンソースコミュニティに貢献したいと考え、ヨーロッパ全体の開発者が集まるイベントをブリュッセルで開催することを思いついたのです。

第一回目は各地から講演者が集まり、予想以上の成功を収めました。その成功を受けて、チームはイベントを継続することを決定。「FOSDEM」の「F」は、初年度に紹介されたソフトウェアの多くがGPLライセンスであったことから、リチャード・ストールマン氏の要望により追加されました。イベントは、翌年以降2月に開催されるようになり、参加者数も講演数も年々増加していきました。

2009年には、4000人から5000人が来場する大規模イベントへと成長しました。

年ごとの主な出来事

2001年: OSDEMとして5人のチームでスタート。
2002年: リチャード・ストールマン氏の要望によりFOSDEMに改称。参加者1000人超。
2003年:
基調講演：ジョン・ホール氏「The History of Free Software」、リチャード・ストールマン氏「FSF」
トラック：データベース、デスクトップ、教育、マルチメディア、セキュリティなど
devroom：組み込みソフトウェア、GNOME、GNUstep、KDEなど
2004年:
基調講演：ティム・オライリー氏「The open source paradigm shift」、リチャード・ストールマン氏「FSF」
トラック：Debian、Java、Linuxカーネル、スクリプト言語など
devroom：Debian、Java、OpenMosix、MySQL、KDEなど
2005年:
基調講演：ジミー・ウェールズ氏「Wikipedia」、リチャード・ストールマン氏「FSF」
トラック：デスクトップ、開発ツール、グリッド/クラスタ、Linuxカーネルなど
devroom：Calibre、クラスタリング、GNOME、Hurd、KDEなど
2006年:
基調講演：リチャード・ストールマン氏によるGPLv3に関する議論
トラック：デスクトップ、開発ツール、セキュリティ、システム、VoIPなど
devroom：Ada、GNU Classpath、組み込みソフトウェア、GNOME、Jabberなど
2007年:
基調講演：ジム・ゲッティーズ氏「OLPC」、サイモン・フィップス氏「Liberating Java」
トラック：セキュリティ、デスクトップアプリケーション、開発ツール、カーネル、ウェブなど
devroom：CrossDesktop、KDE、GNOME、openSUSE、Mozilla、Pythonなど
2008年:
基調講演：ロビン・ロウ氏「Tux with Shades, Linux in Hollywood」、ロバート・ワトソン氏「How a large scale opensource project works」など
トラック：言語、ビルドシステム、ゲーム、パッケージング、仮想化、ウェブなど
devroom：BSD+PostgreSQL、CentOS+Fedora、CrossDesktop、Debian、GNOMEなど
2009年:
基調講演：マーク・サーマン氏「Free. Open. Future?」、Bdale Garbee氏「Debian」、レスリー・ホーソーン氏「Google Summer of Code」
トラック：ディストリビューション、言語、セキュリティ、システム、コラボレーション、カーネル
devroom：Ada、BSD+PostgreSQL、CentOS+Fedora、CrossDesktop、Debian、GNOME、KDEなど

資金面

FOSDEMは、参加費無料のイベントとして運営されています。イベントの非営利性を理解するスポンサーからの資金提供と、参加者からの寄付によって運営されています。寄付をすると、イベントグッズや特典が提供されます。主催者はすべてボランティアによって構成されています。

FSFフリーソフトウェア賞

フリーソフトウェア財団（FSF）のフリーソフトウェア賞は、2001年から2005年までFOSDEMの会場で授賞式が行われていました。

外部リンク

FOSDEM公式サイト
FOSDEM 2009
FOSDEM 2008
FOSDEM 2007
FOSDEM 2006
FOSDEM 2005
FOSDEM 2004
* FOSDEM 2003

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