FUNFAIR

RIP SLYME|RIP_SLYME - FUNFAIR

『FUNFAIR』（ファンフェア）は、RIP SLYME|RIP_SLYMEが2007年11月28日に発表した6枚目のオリジナルアルバムです。前作『EPOCH』から約1年ぶりのリリースとなりました。

概要

本作は、「移動遊園地」をテーマに、RIP SLYME|RIP_SLYMEのメンバーがそれぞれの個性を発揮し、バラエティ豊かな楽曲を収録したアルバムです。先行シングル「SPEED KING」と同様に、ジャケットには骸骨のイラストが用いられていますが、「SPEED KING」とは左右反転しており、様々なイラストが集まって骸骨を形成しているようなデザインとなっています。このイラストは、「SPEED KING」のPVの背景にも登場しています。初回盤には特典ステッカーが封入され、一部にはスペシャルプレゼント用シールや、CM曲を担当したマクドナルドのクーポン券が付属するなど、豪華な仕様となっています。

制作の背景

アルバムの制作は、2006年10月に「I・N・G」、11月に「熱帯夜」、12月に「Tales」が完成し、2007年4月頃から本格的に開始されました。早い段階で「遊園地」というテーマが決定していたため、制作はスムーズに進み、夏頃にはほぼ完成していたといいます。制作においては、メンバー個々の自主性を尊重し、互いのアイデアに根拠のない反論はしないというルールが設けられました。これにより、メンバーは各自の担当作業に集中でき、余裕を持ってレコーディングに臨めたそうです。また、DJ FUMIYAの自宅にスタジオが新設されたことも、制作環境の向上に大きく貢献しました。

作風

アルバムタイトルの「FUNFAIR」は、「移動遊園地」という意味を持ち、アルバム全体のコンセプトを象徴しています。RYO-Zは、本作を「バラエティに富んだアトラクションが1枚のアルバムで楽しめる作品」と表現しています。前作まではヒップホップの要素をどのように消化するか、ライブをどうするかなど、様々なことを考慮してアルバムを制作していましたが、本作ではテーマを掲げつつも、あまり考えすぎずに自由に制作したといいます。その結果、多様な楽曲がバランス良く収録され、メンバー自身も「最高傑作」と自負する作品となりました。PESは、「やるべきことはやりつつも、あまり考えずに好きなように作った」と語っており、RYO-Zも「気持ちよければ韻を踏むかどうかはどちらでも良い」と、自由な発想で制作に臨んだことを明かしています。

収録曲

1. Introduction
2. NP
3. Bubble Trouble
4. SPEED KING
5. Tales
6. 残念ボーイ
7. concourse1
8. EVOLUTION（feat.COMA-CHI）
9. Fa-a-ar
10. I・N・G
11. concourse2
12. Remember（RIP SLYME|RIP_SLYME with MONGOL800）
13. 熱帯夜
14. StroboX
15. 流れの中で

シングル曲は「SPEED KING」「熱帯夜」の2曲のみですが、「I・N・G」「Tales」を含むタイアップ曲は5曲と、RIP SLYME|RIP_SLYMEのオリジナルアルバムとしては最多となっています。メンバーから2人ずつを選抜してMCを務める楽曲（「残念ボーイ」「EVOLUTION」「Fa-a-ar」）が収録されているのも、本作の特徴です。

評価

『FUNFAIR』は、オリコンアルバムチャートで初登場3位を記録し、累計売上でも前作を上回るなど、商業的にも成功を収めました。また、音楽評論家からも、RIP SLYME|RIP_SLYMEの新たな音楽性の開拓と、バラエティ豊かな楽曲構成が高く評価されています。

まとめ

『FUNFAIR』は、RIP SLYME|RIP_SLYMEの遊び心と実験精神が詰まった、まさに「移動遊園地」のようなアルバムです。ヒップホップをベースに、様々なジャンルの音楽を取り入れた、彼らならではのサウンドが楽しめます。RIP SLYME|RIP_SLYMEのファンはもちろん、幅広い音楽ファンにおすすめできる作品です。

もう一度検索