FX-602P

FX-602Pシリーズの概要

FX-602Pシリーズ（モデルFX-601PおよびFX-602P）は、1981年にカシオ計算機によって製造されたプログラム電卓であり、FX-502Pシリーズの後継機種として登場しました。このシリーズは後に1990年に投入されたFX-603Pへと続きます。

表示機能

FX-602Pの表示機能は、11桁のドットマトリクス液晶と、3桁の7セグメントによる指数表示部から成り立っています。この指数表示部は、プログラム入力中やデバッグモードにおけるステップ表示にも使用されます。また、11の状態表示部も備えており、ユーザーは多様な情報を一目で確認できるようになっています。

プログラミング機能

プログラムモードは、キー押下の順序を記憶するキーストローク記憶方式を採用しています。この機能により、実行時にそれを再現することが可能です。記憶する際、複数のキーを同時に押すことでそれらが1ステップとして記憶され、効率的なプログラム作成が可能です。特定の機能を使用するには、2バイトが必要になる場合もあります。

FX-601Pは128ステップのプログラムを記憶でき、11のメモリを保有しています。対してFX-602Pでは、512ステップのプログラムと22メモリを持っているほか、プログラムステップとメモリを割り当てる設定も可能で、最小で32ステップ、最大で88メモリの利用ができます。通常は512ステップと22メモリに設定されており、8つのプログラムステップに対して1つのメモリが相当する形になっています。この領域は「Fメモリ」と呼ばれます。

前モデル同様、FX-602シリーズでは、プログラミングやサブルーチンにP0からP9のラベルを用いることができます。各サブルーチンには最大で10のローカルラベル（LBL0からLBL9）を設定でき、ジャンプ先や分岐先として利用できます。また、メモリアクセスとジャンプにはメモリ間接アドレッシングが使用されるため、この電卓はチューリング完全であると言えます。さらに、過去の機種のプログラムも読み込みと実行が可能です。

プログラムの例

例えば、指定した整数の階乗を計算するためのプログラムが作成できます。2から69の間の整数の階乗を計算でき、具体的には5の階乗を求める場合、プログラムに「5 P0」と入力すると結果として120が表示されます。このプログラムはメモリ9バイトを使用します。

インターフェイス

FX-602Pシリーズは、FX-502Pシリーズ専用のFA-1インターフェイスや、FX-702P用のFA-2インターフェイスと接続でき、いずれもカンサスシティスタンダードコンパクトカセット仕様です。FA-2にはFP-10サーマルプリンター向けのプリンタポートも追加されており、より多様な利用シーンで活用できるようになっています。

このように、FX-602Pシリーズはカシオの電卓の中でも特にプログラミング機能が充実しており、様々な用途に対応できる優れたモデルとなっています。

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