F/A-18 (航空機)

F/A-18 ホーネット

F/A-18は、アメリカ合衆国のマクドネル・ダグラス（現ボーイング）社が開発した艦上戦闘機であり、主に艦隊での制空戦闘と対地攻撃の任務を遂行します。その機体は、原型機であるノースロップ社のYF-17コブラを基に艦載機として改良されています。そのため、F/A-18は「ホーネット」という愛称でも知られています。

開発の経緯

F/A-18の開発の起源は、ノースロップ社で進められていたP-530コブラにあります。P-530は、軽量戦闘機計画が進行する中で、F-5の発展型としての研究成果を基に作られました。アメリカ空軍はLWF計画に基づき、YF-17を試作しましたが、最終的には、ノースロップが開発したYF-17をもとにマクドネル・ダグラスが艦上機として改設計した結果、F/A-18が誕生しました。

初期の開発では、アメリカ海軍と海兵隊がともに新しい戦闘機のニーズを持っており、両者の意向からF/A-18は制空戦闘機としての役割だけでなく、対地攻撃能力も求められました。このような状況の中、F/A-18は両方の要求に応える形で設計されました。

特徴と設計

F/A-18は、主翼と垂直尾翼の配置、そして大きなLERX（Leading Edge Root Extension）によって、特有の外観を持っています。主翼はぼやけた後退角で、艦載機に必要な優れた離着陸性能を持つ一方、中低速域での機動性も優れています。悪天候においても運用可能であり、海軍の要求を満たす機体設計がなされています。
また、エアインテークは信頼性が高く、コストパフォーマンスに優れていますが、高速域での性能は若干の制約があります。しかし、これらの特性があってこそ、アメリカ海軍の艦載機として採用され、多くの任務を果たしてきました。

アビオニクスと武装

F/A-18の操縦装置はフライ・バイ・ワイヤを採用しており、操縦の安全性も高められています。同機の火器管制レーダーはAPG-65を搭載し、同時に8目標に追尾することができ、警戒能力を強化しています。近年のモデルでは、AN/APG-73レーダーへの換装が進められています。そして、新型兵器としてAMRAAMやマーベリックミサイルなどへの対応が可能で、現代の戦闘においても十分なパフォーマンスを発揮します。

現在の運用

2000年代以降も、F/A-18は多くの戦争や紛争で活躍しています。例として、湾岸戦争やイラク戦争においては重要な役割を果たしました。特に、湾岸戦争ではイラク空軍のMiG-21を撃墜した実績があります。F/A-18はまた、コソボ紛争や各種の軍事作戦においても数を重ねてきました。

現在、F/A-18はその役目を果たし続け、各種型式も存在しますが、特にF/A-18E/Fスーパーホーネットへの転換が進められています。F/A-18シリーズのさらなる適応と能力向上が期待されています。技術革新により、常に新しい標準に適合する機体へと進化を続けています。

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