Fankacoustics

角松敏生『Fankacoustics』：ファンクとアコースティックの融合

2004年8月4日、角松敏生16作目のオリジナルアルバム『Fankacoustics』（ファンクアコースティックス）がリリースされました。本作は、ファンクとアコースティックという対照的な音楽性を両立させた、2枚組CDという意欲的な作品です。

「Solid side」：グルーヴィなファンクサウンド

1枚目のCD「Solid side」は、沼澤尚（ドラムス）、松原秀樹（ベース）、浅野祥之（ギター）、小林信吾（キーボード）といった実力派ミュージシャンが中心となり、タイトでグルーヴィなファンクサウンドを展開しています。楽曲によってはホーンセクションが加わり、より華やかで奥行きのあるサウンドに仕上がっています。

「Elastic side」：繊細なアコースティックサウンド

2枚目のCD「Elastic side」では、田中倫明（パーカッション）、青木智仁（ベース）、梶原順（ギター）、友成好宏（キーボード）らが、アコースティック楽器を主体とした繊細で温かみのあるサウンドを奏でています。このサイドには、過去に発表された楽曲「もう一度…and then」のリテイクバージョンも収録されています。

楽曲の魅力

全16曲に渡り、角松敏生自身の作詞・作曲による楽曲が並びます。 「My Sugar」では歌詞に、現在日本では使用が禁止されている薬物の一種が登場する為、ボーカル部分にピー音処理が施されています。各楽曲は、洗練されたアレンジと、角松敏生の卓越した音楽センスによって、それぞれの個性を際立たせています。ファンクナンバーの力強さとアコースティックナンバーの繊細さ、その両方が存分に堪能できる作品となっています。

豪華スタッフ陣

本作には数多くのスタッフが関わっており、その制作規模の大きさがうかがえます。プロデューサーには角松敏生自身、エンジニアリング、ミキシング、マスタリングには、国内外の第一線で活躍する技術者たちが参加しています。その他、アートディレクション、デザイン、写真撮影など、多様な分野のクリエイターが、作品の世界観を彩るために尽力しています。

全国ツアー

『Fankacoustics』発売を記念して、2004年10月から2005年3月にかけて、全国ツアーが開催されました。このツアーでは、「Solid side」と「Elastic side」それぞれのサウンドを軸にした、2種類の異なるステージが展開されました。各地で熱狂的なライブパフォーマンスが繰り広げられ、多くのファンを魅了しました。

まとめ

『Fankacoustics』は、角松敏生の音楽性を多角的に示した、非常に重要な作品です。ファンクとアコースティックという異なる音楽的アプローチを融合させた挑戦的な試みは、大きな成功を収めました。楽曲のクオリティはもちろんのこと、豪華なミュージシャン陣、そして洗練された制作体制によって生み出された、極めて高い完成度を誇る作品です。このアルバムは、角松敏生のキャリアにおいて、新たな境地を開いた記念碑的な作品と言えるでしょう。

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